19歳の男性大学生の方です。
昔から両親に対して、どこか距離を感じていました。
特に母は感情的で、少しのことで怒鳴ったり泣いたり。父も無関心で、話しかけても「うるさい、後にしろ」みたいな感じで、ちゃんと向き合ってもらった記憶が、ほとんどありません。
そんな環境で育ったせいか、今も実家に帰る気持ちになりません。正直、親と一緒にいるとイライラしてしまって、酷いことを考えてしまう時があります。
周りの友達は「親に感謝しなきゃ」「親孝行しなきゃ」と言いますが、自分がこんな風に親を嫌いだと思うことに、罪悪感を感じます。
「自分って冷たい人間じゃないか」と思って、自己嫌悪に落ち込むこともあります。
どうすれば、この気持ちと向き合えるのでしょうか。

たま先生の解説
心理のポイント
私が先ほど「親と子供は、同じ心の課題を持っている」とお伝えしたのは、実は心の仕組みとして、親子関係を新しい目で見直すための、とても大切な視点だからなんです。
「親を嫌いだと思う自分が嫌い」――この苦しさは、本当によく分かります。
私たちは小さい頃から、「親は大切にしなきゃいけない」「親には感謝しなきゃいけない」と、社会から繰り返し教えられてきました。
その期待に、ご自分の心の動きが合わないと、「自分が間違っているんだ」「冷たい人間なんだ」と、二重に苦しくなってしまうんですよ。
でも、感情的に怒鳴ったり泣いたりするお母さん、無関心で「うるさい、後にしろ」と言うお父さん――そういう環境で育った中で、距離を感じてしまうのは、心がきちんと反応している、自然な結果なんです。
そして、ここでひとつ大事な事実があります。
ご両親もまた、ご自分たちの親から、完璧に愛を受け取って大人になられたわけではないんですよ。
「子供に優しくしたいのに、できない」「愛を伝えたいのに、伝え方が分からない」――そんな未熟さを、ご両親自身も抱えていらっしゃるかもしれません。
これは「だから親を許そう」というお話ではなくて、「親も、未完成のままの一人の人間なんだな」という、人間の現実を知るためのお話なんですね。
これを読んでくださっている、親子関係でモヤモヤを抱えているあなたへ。
「親が嫌い」と感じることを、「自分が悪い」と直結させないでくださいね。
その感情は、ご自分の心が「これ以上、無理して受け入れなくていいよ」と教えてくれている、大事なサインなんです。
そして、19歳という年齢は、まさに「親との距離を、自分のペースで作り直す」時期です。
一気に絶縁しなくていいんです。連絡を取る頻度を、半年に一度にする。実家に帰るのは、年に一回だけにする――そうやって、ご自分の心が無理しない距離を、少しずつ探っていってください。
そして、その距離の中で、もしも「ここまで育ててくれたことに、ありがとう」という気持ちが、ふと湧いてくる日が来たら――それは無理なく、ご自分の中から生まれた本物の感謝です。
その時まで、急がず、ご自分の心を大切にしてくださいね。
「親が嫌い」と感じる自分も、「冷たい人間かも」と苦しむ自分も、両方とも、これからの人生でゆっくり折り合いをつけていける、大切なあなたの一部なんですよ。