私が先ほど「あなたは、ずっと後回しにしてきた自分自身を、大切にしようと決めただけ」とお伝えしたのは、実はそこに、心の仕組みとして、とても大切なことが隠れているからなんです。
長い間、誰かのために尽くしてきた人ほど、いざ自分の幸せを選ぼうとした瞬間に、強い罪悪感に襲われることがあります。
「私だけが幸せになっていいのだろうか」
「あの人を、見捨てたのではないだろうか」
そんな思いが、胸の奥からこみ上げてくるんですね。
でも、これだけは覚えておいてほしいのです。
罪悪感というのは、あなたが冷たい人間だから生まれるのではありません。
むしろ逆で、あなたが人を思いやれる、あたたかい心を持っているからこそ、湧いてくる感情なんです。
自分のことよりも、いつも誰かを気にかけてきた。
その優しさが、こういうときにチクリと痛むだけなんですよ。
そして「お前は俺を捨てるのか」という言葉。
こういう一言は、まるで小さな棘のように、心にずっと刺さり続けることがあります。
なぜなら、その言葉が「あなたが悪いんだ」というメッセージとして、心に強く焼きついてしまうからなんです。
けれど、本当にぶつかっているのは、あなたの罪と、あなたの幸せではないんですよ。
ぶつかっているのは、「これまで我慢してきた自分」と、「これから大切にしたい自分」なんです。
そのどちらも、間違ってなんかいません。
どちらも、あなたが一生懸命に生きてきた、たしかな証なんですね。
だから、罪悪感がふっと顔を出したときは、無理に消そうとしなくて大丈夫です。
「ああ、私はそれだけ真剣に生きてきたんだな」と、そっと受け止めて、自分の頭をなでてあげるくらいの気持ちでいてくださいね。
そうやって少しずつ、あの重い石は軽くなっていきますから。
これを読んでくださっている、長い年月を、誰かのために生きてきたあなたへ。
自分を大切にすることは、わがままではありません。
あなたが笑顔でいることは、これまで頑張ってきた自分への、いちばんのご褒美なんです。
焦らなくて、大丈夫ですからね。
あなたはもう、じゅうぶんすぎるほど、頑張ってきたのですから。
これからは、あなたの心が「うれしい」と感じるほうへ、ゆっくり歩いていってくださいね。