私が先ほど「ご主人よりも先に、弁護士さんに相談してくださいね」とお伝えしたのは、実は心の仕組みとして、とても大切なことが隠れているからなんです。
これまであなたは、「もうしない」という言葉を、そのたびに信じようとしてこられたのだと思います。
それは、あなたが弱いからでも、甘いからでもありません。
一度愛した人が目の前で謝り、涙を見せたとき、その言葉を信じたくなるのは、人の心としてごく自然なことなんですよ。
なぜなら、「また裏切られた」という事実をそのまま受け止めるよりも、「今度こそ変わってくれる」と信じるほうが、そのときの心の痛みが、少なくて済むからなんですね。
つまり、なし崩しというのは、あなたの意志が弱いから起きるのではなく、あなたの心があなた自身を守ろうとして起きる、いわば防衛反応なんです。
ですから、これまでのことを、どうかご自分で責めないでくださいね。
むしろ、よく持ちこたえてきたねと、まずはご自分に言ってあげてほしいんです。
そして、気持ちの強さだけで乗り越えようとしなくて、いいんですよ。
本当に離婚を決めた「その瞬間」には、あなたと相手との間に、専門家という存在を置いてほしいんですね。
弁護士さんが間に入ってくれることで、あの「信じたくなる気持ち」に、もう一度飲み込まれずに済むんです。
それは、あなたの決意を、あなた自身よりも少しだけ強く守ってくれる、盾のようなものなんですよ。
あなたひとりで、あの言葉に立ち向かわなくてもよくなる、ということなんです。
そして、慰謝料というのは、ただのお金ではありません。
それは、あなたが受けてきた痛みを、「あってはならないことだった」と、社会がきちんと認めてくれる、ひとつのかたちなんです。
だから、受け取ることに、遠慮する必要は少しもないんですよ。
最後に、長いあいだ、たったひとりで耐えてきたあなたへ。
離婚を選ぶことは、冷たいことでも、負けることでもありません。
それは、あなたがようやく、あなた自身の側に立つと決めた、勇気ある一歩なんです。
これから先は、全部をひとりで抱え込まなくて、大丈夫。
頼れる専門家の手を借りながら、一歩ずつ、進んでいけばいいんですからね。
焦らなくて、大丈夫ですよ。