38歳の女性からのご相談です。
結婚して7年、義母が未だに夫の元カノと私を比較してくることに、もう我慢の限界です。
私が煮物を作れば、「前の○○さんは、本当に料理が上手だった。味付けが絶妙だった」。
私が仕事で帰りが遅くなると、「○○さんはいつも息子が帰る前には家にいて、尽くすタイプだったわ」と言います。
夫自身は、もう元カノのことなんて、とっくに忘れていると思います。
でも義理の母の中では、その「完璧な元カノ」が、今も亡霊のように生き続けています。
私は一生、この見えない亡霊と比べられながら、生きていかなければならないのでしょうか。
この、ジワジワと心を削られるようなストレスと、どう付き合えばいいですか。

たま先生の解説
心理のポイント
私が先ほど「心の舵を相手に渡さない」とお伝えしたのは、実は心の仕組みとして、義実家との関係で消耗しないための、いちばん大切な姿勢だからなんです。
義理のお母様が、亡霊のような元カノを持ち出してくるのは、心理学的に見ると、ある種の「マウンティング」なんですよ。
「私には、あなたよりも息子のことを長く見てきた歴史がある」「私のほうが、息子の好みを知っている」――そういう優位性を、わざわざ言葉にして示すことで、ご相談者様の中に、不安や劣等感を呼び起こそうとしているんですね。
これは、義母自身の中にある「息子を取られたような寂しさ」「嫁との関係でうまく主導権が取れない焦り」が、形を変えて出ている可能性が高いんです。
そして、その言葉にご相談者様が反応して、傷ついたり言い返したりすると――義母は、ますます同じ言葉を繰り返してきます。
なぜなら、「反応してくれる」ことが、義母にとっては「相手の心に影響を与えられた」という、優越感の確認になってしまうからなんですよ。
これを読んでくださっている、義母の言葉に心を削られているあなたへ。
「反応しない」というのは、決して義母を無視することではありません。
「あ、また始まったな」と心の中でつぶやいて、表情は穏やかなまま、「そうですか」「へえ」「煮物の味、お母様にも教えてもらえると嬉しいです」――そんな、棒読みでも、温度の低い相槌で、流していくんです。
反応がないと分かれば、義母の中の「マウンティングの楽しさ」も、少しずつ薄れていきます。
そして、もうひとつ大事な視点があります。
ご相談者様の結婚生活の主役は、義母ではなく、ご夫婦お二人なんですよ。
ご主人がご相談者様を選んで、もう何年も一緒に生きてきていらっしゃる――それが、何よりの答えです。
亡霊のような元カノは、もう、現実のどこにも存在していません。あなたのいるこの家庭が、唯一の、生きている現実なんですからね。
その安心感を、ご自分の中の中心にしっかり置いて――義母の言葉は、風に飛ばされる枯れ葉くらいに、聞き流していきましょうね。