私が先ほど、「深く悲しんでいらっしゃること、それ自体が奥さまを大切に思っていた証なんですよ」とお伝えしたのは、実は心の仕組みとして、とても大切なことが隠れているからなんです。
大切な人を失ったあとの深い悲しみは、グリーフ(悲嘆)と呼ばれます。
そしてこの悲しみの深さは、その人をどれだけ愛していたかと、静かに結びついているんです。
つまり、今あなたを苦しめている痛みは、愛した時間の長さと重さが、そのまま形を変えたものなんですよ。
だから、悲しみを無理に消そうとしなくていいんです。
それは、消すべきものではなく、抱えていっていいものですから。
そして、もうひとつ。
「あんなことを言わなければよかった」という後悔や自責も、実は大切な人を亡くしたときに、多くの方が通る、ごく自然な心の反応なんです。
人は、突然の別れを受け止めきれないとき、「自分のあの一言のせいで」と、原因を自分の中に探してしまいます。
それは、どうにもならなかった現実に、なんとか意味を見つけようとする、心の必死の働きなんですね。
でも、本当のことを申し上げれば、あなたの言葉が奥さまのご病気を招いたわけではありません。
最後の言葉が「別れよう」だったこと。
それと、あなたが40年、奥さまと共に生きてこられたこと。
その重さは、まるで違うんです。
たった一言が、40年の日々を打ち消すことなんて、決してありませんから。
お手紙を書いてみてくださいとお伝えしたのも、ここに理由があります。
大切な人を亡くしても、その人との心のつながりは、消えてなくなるわけではありません。
心の中で語りかけ、伝えられなかった言葉を届けていく。
そうやって少しずつ、悲しみと共に生きていく道が、ちゃんとあるんです。
これを読んでくださっている、今まさに大切な人を失って、立ち尽くしていらっしゃるあなたへ。
どうか、悲しんでいるご自分を、責めないでくださいね。
涙が出るのも、後悔が押し寄せるのも、あなたがちゃんと人を愛せた証なんです。
そして、どうか一人きりで抱え込まないでください。
気持ちを話せる人や、相談できる窓口が、あなたのそばには必ずあります。
焦らなくて、大丈夫ですからね。
一日ずつ、ゆっくりで、いいんですよ。