私が先ほど、「まずはご主人のお気持ちを、いったんそのまま受け止めてあげて」とお伝えしたのは、実は心の仕組みとして、とても大切な理由が隠れているからなんです。
人は、自分の気持ちを否定されると、心の扉をますます固く閉じてしまう生き物なんですよ。
「愛想が尽きた」と口にした人に、「そんなこと言わないで」と返すと、相手は「やっぱりわかってもらえない」と感じます。
すると、自分を守るために、もっと心を閉ざしてしまうんです。
反対に、「そう感じさせてしまったんだね」と受け止めてもらえると、人はふっと警戒を緩めます。
不思議なもので、否定されないと感じたときにこそ、人の心は少しずつ動きはじめるんです。
だから、修復の第一歩は「相手を変えようとすること」ではなく、「相手をわかろうとすること」なんですね。
そしてもう一つ、大切なことがあります。
あなたが「この人を愛し続けると決める」というのは、相手の反応をコントロールするためではないんです。
ご主人がどう応えてくれるかは、正直、私にもわかりません。
でも、「私はこう在ろう」と自分の軸を決めた人は、不安に振り回されにくくなります。
すがったり、試したり、感情的にぶつけたり、そういう心の揺れが、少しずつ減っていくんです。
その落ち着いた在り方こそが、どんな言葉よりも雄弁に、相手へ伝わっていくものなんですよ。
人は、言葉の中身よりも、その人がまとう空気のほうを、敏感に感じ取るものですからね。
そしてね、自分の至らなさに気づいて反省できるあなたは、もう十分に、変わりはじめています。
夫をないがしろにしてしまったと気づけたこと。
それは、相手を大切に思う心が、あなたの中でちゃんと生きている、確かな証拠なんです。
その優しさがちゃんと残っているうちは、二人の間には、まだ道が続いているんですよ。
これを読んでくださっている、大切な人ともう一度つながりたいと願うあなたへ。
こじれてしまった関係は、一度の劇的な言葉では戻りません。
でも、小さな誠実さを、諦めずに重ねていったその先で、空気が静かに変わっていくことは、確かにあるんです。
結果を急がなくて、大丈夫。
あなたが今日感じているその痛みは、相手を想う優しさの、裏返しなんですからね。