私が先ほど『ほんの少しだけ先の未来を思い描いてみてください』とお伝えしたのは、実は心の仕組みとして、とても大切な意味が隠れているからなんです。
私たちの心は、強いショックを受けた直後、目の前の痛みだけで頭がいっぱいになってしまいます。
そうすると、視野がぎゅっと狭くなって、『今すぐ答えを出さなきゃ』と焦ってしまうんですね。
でも、痛みの真っただ中で出した結論は、あなた自身の願いではなく、傷そのものが叫んでいる声であることが多いんです。
だから私は、少し先の未来という『距離』を、あなたに取ってもらいたかったんですよ。
そしてもう一つ。
あなたが今、本当にぶつかっているのは、ご主人その人ではなく、『信じていた安心が、突然ぐらついた』という不安なのだと思います。
新婚の時期は、二人の間にまだ十分な『信頼の貯金』がたまっていません。
だから一度の傷つきが、そのまま『この人のことがわからない』という不信に、直結してしまいやすいんです。
今、優しくされても素直に受け取れないのは、あなたが疑い深いからではありませんよ。
一度ひびの入った心が、もう二度と傷つかないように、そっと自分を守ろうとしているだけなんです。
それは、とても自然な心の働きなんですよ。
だから、今のご主人の優しさを『機嫌をとっているだけ』と感じてしまうのも、決しておかしなことではないんです。
傷ついた心は、差し出された優しささえ、疑わずにはいられなくなりますからね。
未来を思い描くというのは、その守りの姿勢を、ほんの少しだけゆるめてあげる時間でもあります。
『今』の痛みから離れて、『これから』に目を向けたとき、初めて自分の本当の望みが見えてくるんです。
もし未来の景色にほんのり温かさを感じたなら、その関係は、まだ育てていける余地があるのかもしれません。
もし何度思い描いても心が重くなるのなら、それもまた、あなたが大切にすべき正直な答えです。
どちらであっても、間違いなんて一つもありませんからね。
これを読んでくださっている、頑張り屋で、優しいあなたへ。
たった一度の言葉で、結婚のすべてを決めてしまわなくて、大丈夫ですよ。
答えは、無理に探しにいくものではなくて、心が少し落ち着いたときに、静かに浮かび上がってくるものなんです。
どうか、傷ついた自分を責めないであげてくださいね。
焦らなくて、大丈夫ですからね。