50代の女性です。昨年の冬、15年可愛がっていた愛犬が天国に行きました。 亡くなる前日、なんとなく元気がなく、お腹の調子が悪いのかなと思ったのですが、仕事が忙しくてその日は病院に行きませんでした。翌日連れて行った時には、もう手遅れの状態でした。
そこから10日間、注射などで頑張りましたが、結果は老衰でした。 頭では寿命だったと分かろうとしています。でも心が追いつきません。
あの日すぐに病院に行っていれば、もっと大きな病院で検査していれば……私がサインを見逃したせいで、苦しませてしまったのではないか。悔やんでも悔やみきれません。 どうすればこの悔しい気持ちを消して、前を向けるのでしょうか。

たま先生の解説
心理のポイント
大切な家族であるペットを亡くされた後悔や悲しみ、いわゆる「ペットロス」は、本当に胸が締め付けられるほど苦しいものですよね。
私が先ほど、「悔しい気持ちを消そうとするのではなく、一度しっかり受け止めてみてください」とお伝えしたのは、実は心の仕組みとして、感情は「抑え込もうとすればするほど、形を変えて心の中に残り続ける」という性質を持っているからなんです。
心理学では、十分に感じきれなかった感情や、抑圧してしまった思いを「未完了の感情」と呼びます。 「後悔してはいけない」「早く前を向かなければ」と無理に悲しみに蓋をしてしまうと、心はいつまでもその出来事を消化できず、苦しみが長引いてしまいます。 だからこそ、「あの時こうしていれば」という悔しさや、「ごめんね」という自責の念が湧き上がってきたら、まずは「そう思ってしまうのも無理はないよね」「それだけ深く愛していたんだものね」と、ご自身の感情を否定せずに、そのまま抱きしめてあげてほしいのです。
この記事を読んでくださっているあなたも、大切な存在とのお別れや、取り返しのつかない過去の出来事に対して、強い後悔を抱えているかもしれません。 そんな時は、無理にポジティブになろうとしなくて大丈夫です。涙が出る時は、枯れるまで泣いていいんですよ。悲しみを底までしっかり味わいつくすことで、心は自然と回復の段階へと進んでいきます。
「ごめんね」という痛みを伴う愛から、いつか「うちの子になってくれてありがとう」「出会ってくれてありがとう」という温かい愛の形へと、心の中でゆっくりと昇華されていく日が必ず来ますよ。焦らず、ご自身の心のペースを一番に大切になさってくださいね。