私が先ほど、「心が揺らいだことは忘れるか、墓場まで持っていって」とお伝えしたのは、心の仕組みとして、人から真っ直ぐに好意を向けられた時に一瞬心が揺れ動くのは、ごく自然な「承認欲求」の働きであって、決してあなたが家族を裏切りたいと思っているわけではないからなんです。
真面目なご相談者様は、「揺らいだ自分は最低だ」「家族を愛していないのではないか」と強くご自身を責めていらっしゃるのでしょうね。でも、心理学的に見ても、自分を熱烈に必要としてくれる存在が現れた時、人間の脳や感情が一時的に昂るようにできているのは、ある意味で生理的な反射のようなものです。それは、あなたの中にある「家族を愛する理性」とは全く別のものなのですよ。
だからこそ、「一瞬揺らいだ」という事実と、「実際に踏みとどまって断った」という誠実な行動をごちゃ混ぜにして、ご自身を「怖い」と責め続ける必要はありません。
この記事を読んでくださっている方の中にも、ふとした瞬間にパートナー以外の人から好意を向けられ、少し心が動いてしまったことに強い罪悪感を抱いている方がいらっしゃるかもしれません。
そんな時は、「心が揺れること」自体を過剰に否定するのではなく、「あぁ、好意を向けられて少し嬉しかったな」という感情の波だけをそっと受け止め、そのまま流してあげてください。大事なのは、その後に「自分が本当に守りたいものは何か」を理性で選び取ることです。
ご相談者様は、その場でしっかりと断り、ご家族を守る選択をされました。そのご自身の強さと誠実さを、どうか誇りに思ってくださいね。明日からは、ただの「上司と部下」として、毅然とした態度でいつも通りにお仕事をされて大丈夫ですよ。