過去に私をひどく傷つけた人のことが、どうしても許せません。
この怒りや憎しみの感情から解放されるには、どうしたらいいですか。
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過去に私をひどく傷つけた人のことが、どうしても許せません。
この怒りや憎しみの感情から解放されるには、どうしたらいいですか。
お話を聞かせてくださってありがとうございます。
過去の傷、嫌なことを何度も思い出すとしたら――その経験をされた時に、「嫌だ」「辛い」という感情を、しっかり感じきれていられなかった可能性があるんですよ。
人生は、自分が経験したいことが目の前にやってくるようになっているんですね。これは良いことだけでなくて、辛いことについても同様なんです。
「嫌な思いをして成長する」――それが、人生なんです。
ただ、嫌なこと、悲しいことがあった時に、その思いをその場で「封印してしまう」――すると、それが繰り返されてしまうんですよ。
その事実があった時、「相手が思うところがあったのかもしれない」とか「こんなこと考えてちゃいけない」と考えて、慌ててその嫌な思い、感情を、閉じ込めてしまおうとするんですけれど――閉じ込めてしまったことで、いつまでもずっと、ご自分の中にその感情が、あり続けるんですね。
ですから、何か感情が湧いたときは、それが悪いものであっても、しっかりそれを「感じきる」――それが大切なんです。
過去の思いについても、思い出した時に「嫌だった」「辛かった」と、しっかりその感情を、一度味わってみてくださいね。
すると、徐々に、思い出すことが減っていきますからね。

たま先生の解説
心理のポイント
私が先ほど「感情をしっかり感じきる」とお伝えしたのは、実は心の仕組みとして、長く心に居座る怒りや憎しみを解放する、いちばん根本的な方法だからなんです。
私たちは、辛いことが起きた瞬間に、無意識のうちに「これは感じてはいけない感情だ」と判断してしまうことがあります。
「悲しんでも仕方がない」「相手にも事情があるのかもしれない」「こんなふうに思う私は心が狭い」――そういう声が頭の中に湧いてきて、本当の感情にフタをしてしまうんですね。
これは「大人として、ちゃんとしなきゃ」「冷静でいなきゃ」という、社会的な訓練の結果でもあります。
でも、フタをした感情は、消えません。心の奥に閉じ込められたまま、何年も、何十年も、ご自分の中でくすぶり続けるんですよ。
そして、ふとした瞬間に、当時よりも強い怒りや悲しみとして、よみがえってくることがあります。
ですから、「許す」よりも先に必要なのは――「ちゃんと、悲しむ」「ちゃんと、怒る」「ちゃんと、痛がる」ことなんですね。
これを読んでくださっている、過去の傷を何度も思い出して苦しんでいるあなたへ。
「許せない自分はダメな人間だ」と、思わないでくださいね。
許せないというのは、ご自分の中の「これは間違っていた」「これは私を深く傷つけた」という、まっすぐな感覚なんです。それは、ご自分を守るための、大事なセンサーなんですよ。
そのセンサーが「許さなくていい」と教えてくれているなら、急いで許す必要はありません。
代わりに、過去の傷ついた自分に、心の中で寄り添ってあげてください。
「あの時、本当に怖かったね」「悔しかったね」「あんなふうに扱われていい人じゃなかったよ」――そう、当時のご自分に、優しく声をかけてあげるんです。
その時間を持つだけで、不思議と、ご自分の中にしまわれていた感情が、少しずつ動き始めます。
そして、その感情が動き終えた頃には、「許す」のではなくて、「もう、相手のことを考える時間がもったいない」と、自然に感じられるようになっていきます。
それが、本当の意味での「解放」なんですよ。
ゆっくり、ご自分のペースで、当時の自分を抱きしめてあげてくださいね。