お話を聞かせてくださって、ありがとうございます。
まず、正直にそう感じているご自分を、どうか責めないでほしいんです。
同僚の結婚報告に、心から「おめでとう」と言えなかった。
それを「こんな私は冷たいのだろうか」と気にされていること自体が、あなたがとても誠実な方だという証なんですよ。
本当に冷たい人は、そもそもこんなふうに悩んだりしないものなんです。
さて、ここで一つ、切り分けてお伝えしたいことがあります。
「結婚がめでたいことなのかどうか」。
これは、あなたが思われるままで構わないんですよ。
結婚を幸せだと感じる人もいれば、そうは思わない人もいる。
それはただの価値観のちがいであって、正解も間違いもないんです。
世間が「結婚=幸せ」だと言っても、あなたがそこに違和感を持つことは、少しもおかしなことではありません。
ただ、そのこととは別に、お祝いやお悔やみをする、という行いがあります。
ご祝儀やお香典というのは、実は「結婚をめでたいと思うかどうか」とは、また少しちがう場所にあるものなんですね。
これは、社会の中で人と生きていくうえで、人間関係をなめらかにして、めぐりめぐって、あなた自身が生きやすくなるための、いわば潤滑油のようなもの。
そういう一面があるんです。
そして何より、身近な方が喜んでいたり、悲しんでいたりするとき、その気持ちにそっと寄り添うためのもの。
「あなたのことを大切に思っていますよ」という、言葉にしないメッセージでもあるんですよ。
ですから、ご祝儀を包むという行いは、必ずしも「結婚は素晴らしい」と全面的に賛成することと、イコールではないんです。
「あなたが嬉しいなら、私は、あなたのその気持ちを大事にしますね」。
そんなふうに考えてみると、少し肩の荷が下りませんでしょうか。
あなたの価値観は、そのまま持っていていいんです。
そのうえで、目の前の相手の気持ちにだけ、そっと手を添える。
その二つは、ちゃんと両立してよいものなんですよ。
帰り道に虚しくなってしまうのは、きっと、感じてもいない感動を演じる、その小さな無理が、あなたの心にそっと積もっているからかもしれません。
だとしたら、涙のふりまで頑張らなくても、大丈夫。
「おめでとう」と伝えて、そっと寄り添う。
それだけで、あなたは十分すぎるほど、優しい人なんですよ。
あなたは冷たいのではありません。
ただ、まっすぐで、正直なだけなんです。