私が先ほど「人に何て言われるか困るから離婚を踏みとどまる、それは少し立ち止まってほしい」とお伝えしたのは、実は心の仕組みとして、とても大切なことが隠れているからなんです。
あなたが今、本当にぶつかっているのは、「離婚するかどうか」という問題ではないのかもしれません。
本当にぶつかっているのは、「自分の幸せ」と「他人の評価」、この二つなんです。
人は、心のどこかに後ろめたさを抱えている出来事があると、他人の目が、ふだんの何倍にも大きく見えてしまうもの。
10年前に言われた言葉が、今もこんなに心に残っているのは、あなたの中に、まだ少しだけ「あのとき、私は悪かったのかもしれない」という気持ちが眠っているからなんですね。
その眠っている思いが、「やっぱりね」という未来の声を、実際よりずっと怖いものに膨らませているんです。
つまり、今のあなたを強く縛っているのは、周りの人そのものではなくて——過去の自分をそっと責め続けている、あなた自身の心の一部なのかもしれません。
でも、どうか、その部分を責めないであげてくださいね。
10年、家庭を守り、仕事にも向き合ってきたあなたは、もう十分に、誠実に生きてきた人なんですから。
ここで一つ、思い出してほしいことがあります。
他人の評価というものは、あなたの明日のごはんを作ってはくれませんし、あなたの隣で眠ってもくれません。
「やっぱりね」と笑う人は、あなたが本当につらいとき、手を差し伸べてはくれないんです。
だとしたら、その人たちの声のために、自分の幸せを後回しにする必要は、どこにもないんですよ。
これを読んでくださっている、周りの目が気になって、つい自分の気持ちを一番後ろに置いてしまう、あなたへ。
世間体は、あなたを守ってくれる鎧のようでいて、本当は、あなたを閉じ込める檻にもなってしまうことがあります。
その檻の鍵を開けられるのは、他の誰でもない、あなただけなんです。
まずは、正しいか間違っているかを決める前に、「私はどうしたら、ほっとできるだろう」と、自分に聞いてあげてください。
答えは、いつだって、あなたの心が一番よく知っています。
焦らなくて、大丈夫ですからね。
あなたの幸せは、誰かの許可を待たなくても、あなたの手で選んでいいものなんですよ。