私が先ほど、「本当に大切なのは、あなたご自身が幸せを感じられているかどうかなんです」とお伝えしたのは、実は心の仕組みとして、どうしても知っておいてほしい理由があったからなんです。
人は、自分の本当の気持ちと、外に見せている姿とが大きくズレたまま過ごし続けると、少しずつ心がすり減っていきます。
笑いたくないのに笑い、幸せなフリを続ける。
それは、想像している以上に、心のエネルギーを奪っていくものなんですよ。
しかも、それが一日だけのことではなく、何年も積み重なっているとしたら。
あなたの心が「もう限界だ」と感じるのは、むしろ自然なことなんです。
それは、わがままでも、心が弱いからでもありません。
自分を偽り続けることに、心が正直に「もう無理だよ」と教えてくれている、大切なサインなんです。
そして、もうひとつ、お伝えしたいことがあります。
あなたが本当にぶつかっているのは、ご主人そのものというより、「本当の自分」と「演じさせられている自分」とに、心が引き裂かれてしまっていることなんです。
外では仲のいい妻、家の中では会話のない他人。
そのふたつを行き来するたびに、あなたは少しずつ、自分がどちらの人間なのか分からなくなっていくのだと思います。
だからこそ、あなたは「正直に、誠実に生きたい」と、あんなにも強く願うのでしょう。
その願いは、あなたの心がまだ、ちゃんと生きている証なんですよ。
だから、いま一番に必要なのは、離婚するかどうかを今すぐ決めることではないんです。
「私は、演じるのがつらい」。
そのたった一つの本音を、まずはあなた自身が、そっと認めてあげること。
そこから、すべては少しずつ動きはじめます。
自分の気持ちに正直になることと、周りの人を大切に思うことは、本当は対立しないものなんですよ。
あなたが心から笑える場所にいることが、めぐりめぐって、お子さんや周りの方の安心にもつながっていくのですから。
これを読んでくださっている、外向きの顔をつくることに疲れきってしまった、あなたへ。
これまで、たくさん、たくさん笑ってあげたんですね。
もう、自分の心にだけは、フリをしなくて大丈夫。
焦らなくて、いいですからね。
まずは、あなたの中の小さな本音に、そっと静かに耳を澄ませてあげてください。