私が先ほど『思い知らせることではなく、確かめることから』とお伝えしたのは、実は心の仕組みとして、とても大切なことが隠れているからなんです。
人は、深く傷つけられた瞬間、自分の心を守ろうとして『怒り』という感情を燃やします。
怒りは、痛みに蓋をしてくれる、いわば緊急用のよろいのようなものなんですよ。
ですから今、あなたが『絶対に許せない』『思い知らせたい』と感じるのは、あなたが弱いからでも、心が狭いからでもありません。
それだけ深く傷ついた、という何よりの証拠なんです。
ただ、このよろいをまとったまま大きな決断をすると、判断が『相手を罰すること』のほうへ、偏ってしまいがちなんです。
本当はただ自分を守りたいだけなのに、気づけば相手を追いかけ、傷つけ合う方向へ進んでしまう。
そうなると、いちばん消耗してしまうのは、ほかでもないあなた自身なんですね。
だからこそ、まずは深呼吸をして、事実を確かめる。
この『ひと呼吸おく』時間が、燃え上がった感情と、あなた自身の本当の願いとを、そっと切り分けてくれるんです。
事実を確かめるというのは、決してご主人をかばうためではないんですよ。
あとで『あのとき、ちゃんと確かめておけば』と、あなたがご自分を責めなくて済むように。
たしかな土台の上に立って、あなたが心から納得のいく道を選ぶための、大切な準備なんです。
感情に振り回されるのではなく、あなたがご自分の足で選び取っていく――その感覚こそが、乱れた心を少しずつ取り戻させてくれますからね。
そして、ここでもうひとつ、覚えておいてほしいことがあります。
裏切られたとき、私たちはつい『自分に何か落ち度があったのでは』と、自分を責めてしまうことがあるんです。
でも、送る相手を間違えたのも、開き直って逆ギレしたのも、すべて相手が選んだことなんですよ。
あなたが背負わなければならない責任は、ひとつもありません。
どんな事情があったとしても、あなたがこんなふうに傷つけられていい理由になんて、決してならないんですからね。
これを読んでくださっている、今まさに胸が張り裂けそうなあなたへ。
答えを、今日じゅうに出さなくて大丈夫です。
まずはご自分の心を、そっと休ませてあげることから始めてくださいね。
焦らなくて、大丈夫ですからね。