私が先ほど『今すぐ問い詰めるのは、少し待ってみてほしい』とお伝えしたのは、実は心の仕組みとして、とても大切なことが隠れているからなんです。
裏切りを知ったとき、私たちの心は『早く白黒つけたい』『はっきりさせて楽になりたい』という、強い衝動に駆られます。
これは、宙ぶらりんのままでいる苦しさに、心が耐えきれなくなるからなんです。
答えの出ない不安ほど、人を消耗させるものはありません。
だから、一刻も早く問い詰めて、この苦しみを終わらせたくなる。
その気持ちは、とても自然なものなんですよ。
でもね、この裏切りで、あなたが本当にぶつかっているのは、『不倫という事実』だけではないんです。
一番信じていた人に裏切られた、という、信頼の土台が崩れていく痛み。
そして、妹にまで、という、家族そのものを失うような深い喪失感。
この二重、三重の痛みが、一度に押し寄せているんです。
これほどの痛みを抱えたまま、感情のままに動いてしまうと、あとで『あんな言い方をしなければ』と、自分を責める種を、自分で作ってしまうこともあるんです。
だから、まず証拠を集めるという『やること』を一つ持つのは、実は、暴れそうな心に、手すりを一本つけてあげることでもあるんです。
やるべきことが目の前にあると、人は少しだけ、地に足をつけていられます。
それは、あなた自身を守るための、大切な時間なんですよ。
そして、もう一つ。
あなたが『子どものために冷静でいたい』と、思えていること。
これは、心が完全に飲み込まれずに、まだあなたらしさを保てている、何よりの証拠です。
裏切られた人ほど、なぜか自分を責めてしまいがちです。
『気づけなかった私が、悪いのかな』と。
でも、信じることは、罪ではありません。
あなたが二人を信じていたのは、あなたが誠実に、家族を愛していたからなんです。
これを読んでくださっている、今まさに、信じられない現実の中にいるあなたへ。
答えを出すのは、今日でなくて大丈夫です。
まずは、眠れる夜を、少しでも取り戻すこと。
そして、一人で抱え込まず、あなたの味方になってくれる人に、そっと打ち明けてみてくださいね。
焦らなくて、大丈夫ですからね。
あなたの心が少しずつ落ち着きを取り戻してから、ゆっくり答えを選んでいけば、それでいいんですよ。