私が先ほど『その怒りを、あなた自身で否定しないでください』とお伝えしたのは、実は心の仕組みとして、とても大切なことが隠れているからなんです。
強い怒りに襲われたとき、多くの方が、こう考えてしまいます。
『こんなに感情的になる私が、おかしいのかもしれない』と。
でも、それは違うんですよ。
怒りというのは、あなたの心が『これは大切にされていない』『傷つけられた』と教えてくれる、いわば警報のようなものなんです。
その警報を、自分で無理に消してしまうと、傷ついた気持ちだけが、行き場をなくして心の底に溜まっていってしまいます。
だから、まずは『私は今、怒っているんだ』と、その気持ちをそのまま認めてあげることが、回復の第一歩になるんですね。
不思議なもので、怒りは、否定するほど大きく暴れて、認めてあげるほど、少しずつ静まっていくものなんですよ。
そして、もう一つ。
あなたが今、本当にぶつかっているのは、『別れるか、別れないか』という問いだけではないんです。
『15年間、真面目にやってきた私は、何だったんだろう』という、深い悲しみ。
『信じていたのに』という、信頼が壊れてしまった痛み。
その二つが、怒りという形をとって、いっぺんに噴き出しているんです。
だから、こんなに苦しいのは、あなたがそれだけ本気で、この家庭を大事にしてきたからなんですね。
だからこそ、答えを、急がなくていいんですよ。
大きな衝撃の直後というのは、心が一番、揺れているとき。
その状態で下した結論は、あとから『どうして、あんなに慌てて決めてしまったんだろう』と、あなた自身を苦しめてしまうことがあるんです。
私が『足場を固めてから』とお伝えしたのは、あなたを引き止めたいからではありません。
どんな道を選ぶにしても、あなたとお子さんが、これから安心して立っていられる場所を、先に用意しておいてほしいからなんです。
これを読んでくださっている、震えるほどの夜を過ごしている、あなたへ。
あなたは、家のことも子どものことも、精一杯やってこられました。
その頑張りは、誰かの裏切りなんかで、消えてしまうものでは、決してないんですよ。
今は、答えを出すことよりも、まず、あなたの心を少しだけ休ませてあげてくださいね。
信頼できる人や、専門の窓口を頼ることも、決して弱さなんかじゃないんです。
どうか、あなたを大切にしてくれる人の手を、借りてくださいね。
焦らなくて、大丈夫ですからね。