私が先ほど「あなたは、何ひとつ間違っていません」とお伝えしたのは、実は心の仕組みとして、とても大切なことが隠れているからなんです。
人は、ひどい仕打ちを受けたとき、なぜか「自分にも悪いところがあったのかな」と、自分を責め始めてしまうことがあります。
特に、長く連れ添った相手から「お前にも我慢していた」「お互い様だ」と言われると、その言葉が心に刺さって、いつの間にか自分の側を疑ってしまうんです。
でも、これは相手が、自分の罪悪感から逃れるために使う「責任のすり替え」であることが、とても多いんですよ。
本当は自分が一番悪いと分かっているからこそ、あなたにも非があったことにして、心の重さを分け合おうとする。
その言葉を、どうか真に受けないでくださいね。
もし、その手の言葉に心が揺れそうになったら、「これはこの人の都合なんだ」と、心の中でそっと線を引いてみてください。
それだけで、あなたの心は、ずいぶん守られるんですよ。
そしてもう一つ、大切なことがあります。
あなたが感じている怒りの奥には、「これだけ尽くしてきた自分を、ちゃんと見てほしかった」という、切ないほど純粋な願いがあるように思うんです。
本当にぶつかっているのは、慰謝料の金額そのものではなくて、「私のこれまでを、なかったことにしないで」という、あなたの尊厳なのかもしれません。
だから、お金の話をきちんと進めることは、単なる損得の問題ではないんです。
それは、あなたが積み重ねてきた時間に、たしかに価値があったのだと、あなた自身が認めてあげる作業でもあるんですよ。
これを読んでくださっている、深く傷ついたあなたへ。
裏切られた痛みは、すぐには消えないかもしれません。
でも、その痛みは、あなたが誠実に生きてきた証でもあるんです。
誠実だったから、傷ついた。
心の冷たい人には、その痛みはきっと分からないんですよ。
傷つけることしかできない人の言葉に、あなたのその優しさまで、すり減らされてはいけませんよ。
どうか、自分を責める時間を、これ以上増やさないでくださいね。
これからは、あなたを大切にしてくれる人や、あなた自身のために、その優しさを使っていい時間です。
焦らなくて、大丈夫ですからね。
あなたの幸せは、これからちゃんと、あなたの手に戻ってきますよ。