私が先ほど、「夫婦のことは、近いご家族にこそ相談しない方がいい」とお伝えしたのは、実は心の仕組みとして、とても大切なことが隠れているからなんです。
夫婦だけの悩みや、二人のあいだのすれ違いというのは、当人同士なら、時間が経てば許し合えたり、忘れられたりするものなんですね。
朝はぶつかっても、夜には笑っている。
夫婦って、そういう不思議な回復力を、もともと持っているんです。
でも、そこにご家族が入ると、話が少し変わってきます。
あなたのご両親にとって、あなたは何より大切な存在です。
だから、あなたが傷ついた話を聞けば、我が事のように怒ってくださる。
それは深い愛情なんですけれど、その怒りは、当人であるあなたよりも、長く、強く残ってしまうことがあるんです。
あなたと夫が仲直りできても、傷ついたご家族の記憶だけが、置いていかれてしまう。
今回、壊れてしまったのが「夫婦」ではなく「家族同士」だった、というあなたの言葉が、まさにそれを表しているように感じます。
本当にぶつかっているのは、あなたと夫ではなく、それぞれを守ろうとする、ご家族の気持ち同士なんですね。
だからこそ、もし打ち明けるのなら、あなたと夫のどちらの側にも立たない、利害のない第三者がちょうどいいんです。
外の人は、あなたの痛みを一緒に背負い込まずに、静かに受け止めてくれます。
そうして受け止めてもらえると、不思議と、夫婦の問題は夫婦のもとへ、そっと返っていくんですね。
ご家族を巻き込まずにすんだぶん、二人がもう一度向き合うための余白も、ちゃんと残るんです。
ですから、あなたは何も間違っていないんですよ。
ただ、心が疲れきったときほど、人は近くの安心できる相手に、全部を預けたくなる。
それも、とても自然なことなんです。
これを読んでくださっている、大切な人との間で、心をすり減らしているあなたへ。
つらいことを、たった一人で抱え込む必要はありません。
けれど、打ち明ける相手は、どちらの味方でもない、静かに聞いてくれる誰かを選んでみてくださいね。
そして今日は、どちらを選ぶかを、決めなくても大丈夫。
嫌いになれなかった、その優しい気持ちごと、あなたはちゃんと大切にされていいんですよ。
焦らなくて、大丈夫ですからね。