人との適切な距離感が分からず、つい踏み込みすぎたり、逆に壁を作ったりしてしまいます。
心地よい人間関係を築くには、どうすればいいですか。
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人との適切な距離感が分からず、つい踏み込みすぎたり、逆に壁を作ったりしてしまいます。
心地よい人間関係を築くには、どうすればいいですか。
お話を聞かせてくださってありがとうございます。
距離感で悩むという方は、本当に多いようなんですね。
「人との距離感が分からない」というのは――「自分が独立した人間である」という意識が、薄くなっていないかな、と、考えてみることが、大切かもしれません。
私たちはそれぞれ、独立した人間で、自分の人生は自分でしか背負えないんですね。
仲の良い友人や家族、パートナーであっても、「相手は自分ではない」んです。
仲が良い相手とは、よく「一心同体なんだ」みたいな言い方を、することがありますけれど――それは、違うんですよ。
これは冷たいことではなくて、「だから人生は面白い」というところなんですね。
「相手は自分ではない」と分かっていれば、踏み込みすぎることも、なくなります。そして、切り捨てる必要も、なくなるんですよ。
「自分がここにいて、相手がそこに存在する」――ただそれだけ、なんです。
そして、ご自分を大切にして、それと同じくらい他人を尊重して大切にしていれば、自然に良い関係が、築かれていきますからね。

たま先生の解説
心理のポイント
私が先ほど「相手は自分ではない、それだけです」とお伝えしたのは、実は心の仕組みとして、人間関係の悩みをほどく、いちばんシンプルな鍵だからなんです。
人との距離感に悩む方の心の中には、「相手と一体になりたい」または「相手に侵入されたくない」という、両極端な気持ちが、揺れていることが多いんですよ。
「もっと分かり合いたい」と踏み込んでしまえば、相手の領域に侵入してしまって、関係がギクシャクします。
逆に「これ以上傷つきたくない」と壁を作りすぎれば、温かいつながりも遠ざかってしまいます。
この両方の極端さは、根っこのところで「自分と相手は、ひとつになるか、ゼロになるか」という、両極の思い込みから生まれているんですね。
でも、本当は、その間に、たくさんのちょうどいい距離があるんですよ。
「私はここに立っている。あなたはそこに立っている。お互いの間にある空間も、大切なもの」――そういう感覚が、健康な人間関係の基本なんです。
これを読んでくださっている、人との距離感で疲れているあなたへ。
「相手のことを、自分のことのように思いたい」――その気持ちは、本当に優しいものです。
でも、その優しさを健康に保つためには、まず「自分と相手は、別の人間」という、当たり前の事実を、心の中にしっかりと置いておくことなんですよ。
これは「冷たい」ことではなくて、お互いを「ひとりの大人として尊重する」という、いちばん温かい姿勢なんです。
そして、相手がどんなに大切な人でも、相手の心の中までは入り込まない。相手にどう生きるかを決めさせない。同時に、ご自分の心の中にも、相手を勝手に踏み込ませない。
そのシンプルな線を、心の中にひっそりと引いてみてくださいね。
「相手は私のものではない、私も相手のものではない、でも、お互いに大切に思いあえる」――そんな、軽やかで温かい関係が、これから少しずつ育っていきますよ。
距離があるからこそ、近づいた時の温かさが、より深く感じられるんです。
ご自分にも、人にも、優しい距離を、ゆっくり育てていってくださいね。