私が先ほど「本当の問題は、ご主人の気持ちを言い当てることではなく、あなた自身がどう受け止めるか」とお伝えしたのは、実は心の仕組みとして、とても大切なことが隠れているからなんです。
人は、思いがけない裏切りやショックに出会うと、まっさきに「どうして?」を探し始めます。
なぜ黙っていたのか。
何を考えていたのか。
相手の心の中を、なんとか正しく突き止めようとするんですね。
これは、乱れた気持ちを説明でどうにか落ち着かせたい、という、とても自然な心の動きなんですよ。
でもね、他人の心の奥は、どれだけ見つめても、最後まで完全には見えないものなんです。
だからこそ、「相手の本心探し」を続けているかぎり、答えの出ない問いの中を、ぐるぐると回り続けてしまうんです。
心がぐちゃぐちゃになる、とあなたはおっしゃいました。
その正体は、実は、ご主人との間の争いではないのかもしれません。
本当にぶつかり合っているのは、あなたの中にある、二つの気持ちなんです。
「裏切られて悲しい、許せない」という気持ちと、「それでも、築いてきた暮らしを手放したくない」という気持ち。
この二つは、どちらもあなたの正直な心で、どちらかが偽物ということは、決してありません。
そして、この二つが同時にあること自体は、あなたが薄情なわけでも、優柔不断なわけでもないんですよ。
大切な人との間に起きた出来事だからこそ、心が二つに引き裂かれる。
それはむしろ、あなたが誠実にこの関係と向き合っている証なんです。
ですから、どうか今は、無理にどちらか一方へ決めてしまわないでくださいね。
「白か黒か」を急ぐより、まずは「私は今、こんなに揺れているんだな」と、その揺れごと、自分を認めてあげること。
それが、答えを見つけるための、いちばん確かな一歩になります。
揺れている自分を責めているあいだは、心はなかなか休まってくれません。
でも、その揺れごと「これでいいんだ」と抱きしめてあげられたとき、あなたの中に、少しずつ力が戻ってくるんですよ。
これを読んでくださっている、思いがけない事実を知らされて、心がふるえているあなたへ。
傷ついた心は、正しい結論よりも先に、まず休ませてあげてください。
答えは、心が少し落ち着いてからで、ちゃんと間に合いますからね。
焦らなくて、大丈夫ですよ。