心と体の健康

共働きなのに私ばっかり…旦那にむかつく!不公平感をなくすための処方箋

仕事からクタクタになって帰ってきて、休む間もなく夕飯の支度や子どものお世話。ふとソファに目をやると、スマホをいじりながら寝転がっている旦那さんの姿…。

「…なんで、私ばっかり」

同じように働いているはずなのに、なぜ家のことは全部自分にのしかかってくるのか。感謝や労いの言葉もなく、当たり前のように振る舞う旦那さんに、言葉にならない怒りがこみ上げてきて、「むかつく!」と感じてしまう。

そして、そんな風にイライラし続ける毎日に、心底「疲れた…」と感じてはいませんか?

こんにちは。たま夫婦のお悩み相談室、カウンセラーのたまです。

まず、あなたに知ってほしいことがあります。その「むかつく!」という怒りや、「疲れた…」という徒労感は、あなたがわがままなのでも、心が狭いのでもありません。

共働きというチーム戦を、たった一人で戦っているような孤独と理不尽さからくる、ごく自然で当たり前の感情です。決してご自身を責めないでくださいね。

この記事では、なぜ夫にむかついてしまうのか、その根本原因から、夫婦の状況に合わせた具体的な解決策まで、あなたの心が少しでも軽くなるための「処方箋」を丁寧にお渡しします。

「なんで私ばっかり?」共働きで旦那にむかつく5つの理由

まずは、あなたの心を支配する「むかつく!」という感情の正体を、一つずつ紐解いていきましょう。「そうそう、私が言いたかったのはこれ!」と、ご自身の気持ちに深く頷けるはずです。

理由1:家事・育児における圧倒的な負担の偏り

「共働き」という言葉とは裏腹に、現実はどうでしょうか。食事の準備、洗濯、掃除、子どもの送り迎えや寝かしつけ…。名前のついた家事だけでも、その負担は圧倒的にあなたに偏っていませんか?この明らかな不公平感が、「むかつく」という感情の最も大きな原因であることは間違いありません。

理由2:「俺も疲れてる」という当事者意識の欠如

あなたが「少しは手伝ってよ」と言うと、旦那さんから「俺だって仕事で疲れてるんだ」という言葉が返ってくる…。その一言に、心のシャッターがガラガラと下りてしまいますよね。「私だって疲れてる!」という叫びを飲み込みながら、あなたは夫の当事者意識の欠如に深く絶望しているのです。「手伝う」のではなく、「あなたの家庭の仕事」でもあるという認識のズレが、あなたを苛立たせます。

理由3:「言われるまでやらない」夫と「名もなき家事」の存在

旦那さんは、あなたが指示したことはやってくれるかもしれません。しかし、問題はそこではありません。トイレットペーパーの芯を替える、シャンプーを詰め替える、子どもの献立を考える、保育園の持ち物をチェックする…。こうした「名もなき家事」の存在に、旦那さんは気づいてすらいないのです。あなたが常に家の司令塔として全体を把握し、指示を出さなければならない負担感。これが、あなたの心をすり減らしていきます。

理由4:感謝や労いの言葉がないことへの寂しさ

あなたが必死にこなしている家事や育児を、旦那さんは「やって当たり前」だと思ってはいないでしょうか。頑張っても、感謝の言葉一つない毎日。「ありがとう」その一言があれば、もう少し頑張れるかもしれないのに…。その寂しい気持ちが、やがて「どうして私だけがこんな思いを…」という怒りに変わっていくのです。

理由5:心身の疲労による、優しさの枯渇

仕事と家庭の両立で、あなたの心と身体のエネルギーは、常に枯渇寸前です。そんな状態では、普段なら笑って許せるような旦那さんの些細な言動にも、心がささくれだって反応してしまいます。「もっと優しくしたいのに、できない…」そんな自分への嫌悪感も、実は極度の疲労が原因。優しくなれないのは、あなたの心が冷たいからではなく、エネルギーが足りないだけなのです。

要注意!夫のやる気を削ぐ「NG言動」と、賢い「言い換え」術

「夫にもっと協力的になってほしい」と願うあまり、良かれと思って言った言葉が、実は夫のやる気を根こそぎ奪っているとしたら…?ここでは、多くの妻がやりがちな「NG言動」と、それを魔法の言葉に変える「言い換え術」をご紹介します。

NG言動①:「もういい、私がやるから」と取り上げる

旦那さんのやり方が遅かったり、雑だったりすると、つい「もういい、私がやるから」と家事を奪い取っていませんか?これは夫の「せっかくやったのに…」という気持ちを傷つけ、「どうせやっても文句を言われるなら、もう何もしない方がマシだ」と思わせてしまう、最も避けたい行動です。夫の自発性の芽を、あなたが摘んでしまっているのかもしれません。

【言い換え術】:「ありがとう!すごく助かる!もしよかったら、次はこうしてくれるともっと嬉しいな」と、まずは感謝を伝えた上で、改善してほしい点をリクエストとして優しく伝えてみましょう。

NG言動②:「なんで〇〇してくれないの?」と過去形で責める

「なんで昨日お風呂掃除してくれなかったの?」など、過去の失敗を掘り返して責める言葉。これはただの非難であり、夫は防御的になるか、逆ギレするだけで、建設的な話し合いにはなりません。

【言い換え術】:「今日、お風呂掃除をお願いできるかな?」と、未来形の「お願い」に変えてみましょう。過去を責めるのではなく、未来の行動を促すことで、夫も素直に行動しやすくなります。

NG言動③:他の旦那さんと比べる

「〇〇さんの旦那さんは、もっと協力的で羨ましいな」といった、他の家庭と比べる言葉。これは夫のプライドを深く傷つけ、「俺はダメな夫だ」と心を閉ざさせる最悪の一手です。

【言い換え術】:「〇〇さん家みたいに、私たちも最高のチームになれたら嬉しいな」と、「私たち」を主語にして、比較ではなく「協力したい」という前向きな気持ちを伝えてみましょう。

【フェーズ別】共働き夫へのイライラを解消する3つのステップ

さて、ここからはあなたの心の状態に合わせた、具体的な解決策を見ていきましょう。「まだ夫に期待したい」あなたも、「もう期待するのに疲れた」あなたも、今の自分に合ったステップから試してみてください。

【ステップ1:期待したいあなたへ】夫を「戦友」に変えるコミュニケーション術

まだ夫に変わってほしい、協力体制を築きたいと願うエネルギーが残っているあなたは、夫を「同居人」から「戦友」に変えるためのコミュニケーションを試してみましょう。

まずは「見える化」で現状を共有する

家事や育児のタスクを全て書き出し、「見える化」することから始めます。アプリなどを使ってお互いのタスク量を共有すれば、「こんなにやることがあったのか!」と夫が「名もなき家事」の存在に気づくきっかけになります。

不満ではなく「お願い」で伝える

不満を伝えるときは「あなたは何もしてくれない」ではなく、「私は一人だと大変だから、〇〇してくれるとすごく助かるな」と、「私」を主語にしてお願いの形で伝えてみてください。

「感謝」で夫の当事者意識を育てる

そして何より大切なのが、やってくれたことへの「感謝」です。たとえクオリティが低くても、まずは「ありがとう!」と笑顔で伝えること。この小さな成功体験が、夫の当事者意識を育てていきます。

【ステップ2:期待に疲れたあなたへ】「自分を楽にする」思考の転換法

「もう夫に期待するのに疲れた…」と感じているあなたは、ベクトルを自分自身に向ける時かもしれません。夫を変えようとするのではなく、「いかに自分が楽をするか」へと、思考をシフトさせてみましょう。

完璧主義の呪いを解き放つ

まずは、「夕食は毎日手作り」「部屋は常に綺麗に」といった完璧主義の呪いを解き放ちましょう。総菜やミールキットに頼る日があってもいいのです。「頑張らないこと」を、あなた自身が許可してあげてください。

お金で時間を買うという発想

次に、食洗機やロボット掃除機といった時短家電を導入し、物理的に家事の総量を減らすこと。これは「お金で時間を買う」という、未来の自分への投資です。

外部サービスを「戦略的休息」として活用する

そして、週に一度の家事代行や、疲れた日のデリバリーなど、外部のサービスを「戦略的休息」として積極的に活用しましょう。あなたが笑顔でいること以上に、大切なことはありません。

【ステップ3:関係を見直したいあなたへ】二人の未来のための「夫婦会議」

慢性的な不満と疲労から、「この関係を続けるべきか…」と悩んでいるあなたは、一度立ち止まって、二人の未来について冷静に話し合う時間が必要です。

話し合いの場の設定

感情的に切り出すのではなく、休日の昼間など、お互いに余裕のある時に「今後の私たちのことについて、少し話したいな」と提案してみましょう。

会議の目的と伝え方

会議では、お互いの不満をぶつけ合うのではなく、「理想の家庭像」や「そのために協力できること」をすり合わせることが目的です。感情的に「離婚」という言葉を使うのではなく、「このままの関係だと、夫婦でいるのが難しいと感じている」と、あなたの素直な気持ちを伝えてみてください。

第三者の力を借りる

もし二人だけでは難しいと感じたら、夫婦カウンセリングなど、第三者の力を借りるのも賢明な選択です。

まとめ:もう「私ばっかり」と一人で戦わないために

ここまで、本当にお疲れさまでした。

仕事と家庭、二つの戦場で、たった一人で戦い続けてきたあなた。その心が疲れ果ててしまうのは、当然のことです。

旦那さんに「むかつく!」と感じてしまうのは、あなたが「もっと良いチームになりたい」と願っている証拠。決して、あなたが悪いわけではありません。

この記事でお伝えしたように、解決策は一つではありません。夫を「戦友」に育てる道、夫に期待せず「自分が楽になる」道、そして、二人の未来をじっくりと見つめ直す道。今のあなたの心に、一番しっくりくるステップから試してみてください。

何よりも大切なのは、あなたが「私ばっかり」と、一人で戦い続けないことです。

あなたの心が、穏やかな時間と笑顔を取り戻せるよう、心から応援しています。