私が先ほど『いったんご主人のことは横に置いて、あなた自身の心に聞いてみてほしい』とお伝えしたのは、実は心の仕組みとして、とても大切なことが隠れているからなんです。
長いあいだ、相手に合わせて、相手を待ち続けていると、私たちの心のまんなかには、いつのまにか『相手』が座るようになります。
夫が帰ってくるかどうか。
夫が連絡をくれるかどうか。
夫の機嫌はどうか。
気づけば、自分の心の天気が、ぜんぶ相手次第になってしまうんです。
そうなると、とても苦しくなります。
なぜなら、相手の気持ちは、自分ではどうにもできないものだからなんですね。
コントロールできないものに自分の幸せをあずけている限り、心はなかなか休まりません。
だからこそ、まず『自分はどうしたいのか』という問いに戻ることが、大切なんです。
これは、わがままになるということでも、ご主人をあきらめるということでもないんですよ。
自分の心に、もう一度、自分を座らせてあげる、ということなんです。
自分のまんなかが定まってはじめて、この人とどう向き合いたいのかも、静かに見えてくるものなんです。
そして、あなたが感じている本当のつらさは、単身赴任という『距離』そのものではないのかもしれません。
本当にこたえているのは、こちらが手を伸ばしても届かない、あの寂しさ。
迎えたいのに迎えさせてもらえない、大切にしたいのに受け取ってもらえない、あの『通じ合えなさ』なんです。
15年、あなたはずっと、その寂しさに耐えてこられたんですね。
それは、本当によく頑張ってこられたと思いますよ。
『あなたはどう思っているの』とご主人に聞くこと。
それは、相手を問い詰めるためではなく、これ以上ひとりで抱え込まないための、大切な一歩なんです。
相手の答えがどうであれ、あなたが自分の気持ちに正直になれたなら、その事実だけは、けっして消えません。
これを読んでくださっている、長いあいだひとりで家庭を守り、待ち続けてきたあなたへ。
あなたはもう、じゅうぶんすぎるほど、頑張ってこられました。
これからは、相手の予定表ではなく、あなた自身の心を、そっとまんなかに戻してあげてくださいね。
焦らなくて、大丈夫ですからね。