今回、私がご相談者様に「お弁当がダメと否定するのではなく、こういうのが食べたいとリクエストしてみては」とお伝えしたのは、実は心の仕組みとして、人は「今の自分(の努力や行動)を否定された」と感じると無意識に防御線を張り、素直な言葉を受け取れなくなってしまうからです。
「美味しくない」という言葉は、奥様の「愛情」そのものを否定されたような強いショックを与えてしまいます。ご相談者様は「男は黙って愛を食べ続けるべきか」とご自身を追い詰めていらっしゃいますが、嘘をついて苦しい思いを抱え続けると、いずれその無意識のストレスが別の形で夫婦関係のヒビとなって表れてしまいます。
心理学的に、相手を傷つけずに自分の要望を伝える時は「アイ(I)メッセージ」が有効です。「(私は)こういう味付けだと嬉しいな」「(私は)こういうおかずが食べたいな」と、自分を主語にしてポジティブな提案をすることで、相手も責められていると感じず、「夫の希望を叶えてあげよう」と前向きに行動を変えることができます。
この記事を読んでくださっている方の中にも、パートナーの善意や愛情を無下にしたくなくて、自分の本音を我慢して苦しんでいる方がいらっしゃるかもしれません。
そんな時は、「我慢するか、相手を傷つけるか」の二択で自分を追い詰めるのではなく、「どうすればお互いが心地よくなるか」という視点を持ってみてください。感謝の気持ちはしっかりと言葉で伝えつつ、あなたの小さな「お願い」をスパイスのように添えてみてくださいね。無理をせず、夫婦の食卓が少しずつ笑顔の増える時間になりますように。