私が先ほど『心が冷めかけているのではなく、不安なんです』とお伝えしたのは、実は心の仕組みとして、とても大切なことが隠れているからなんです。
人は、将来への不安がふくらむと、その不安を、どこかへぶつけたくなるものなんです。
そして、そのぶつけ先は、たいてい、いちばん身近で、いちばん安心できる相手になります。
あなたにとって、それがご主人だったんですね。
それはある意味で、あなたがご主人を、心のどこかで誰よりも信頼している、その裏返しでもあるんですよ。
つまり、あなたは本当はご主人を嫌いになったのではなく、『先の見えない未来』が、ただ怖いだけなんです。
本当に向き合うべき相手は、ご主人ではなく、あなたの心の中にある不安そのものなんですよ。
もう一つ、大切なことがあります。
不安がいちばん強くなるのは、『自分ではどうにもできない』と感じているときなんです。
今のあなたは、家計も、老後も、すべてがご主人の昇給しだいだと感じていらっしゃいますよね。
自分の力ではどうにもならない、その無力感こそが、夜も眠れないほどの不安を作り出しているんです。
だからこそ、私は『外に働きに出てみては』とお伝えしました。
これは、お金を増やすためだけの話ではないんです。
自分の手で、たとえ数千円でも生み出せたとき、人は『私は、状況を変えていける』という感覚を、少しずつ取り戻していきます。
心理学では、これを自己効力感と呼ぶんですよ。
どんなに小さな一歩でも、『自分にもできた』というその手応えが、ぐらついた心の土台を、静かに立て直してくれるんです。
この感覚が戻ってくると、未来は、ただ怯えて待つだけのものではなく、自分の手で少しずつ育てていけるものに変わっていきます。
そして不思議なことに、ご自分に力が戻ってくると、相手を責める気持ちは、自然と静まっていくんです。
ご主人の3000円が、いつのまにか、そんなに憎らしくは見えなくなっていきますよ。
これを読んでくださっている、真面目で、頑張り屋なあなたへ。
将来をこんなにも心配できるのは、あなたが誠実に、この結婚と向き合っている証拠なんです。
その優しさを、まずはご自分を安心させるために、少しだけ使ってあげてくださいね。
焦らなくて、大丈夫ですからね。