私が先ほど、『まわりの反対は、あなたを失いたくない気持ちの裏返し』とお伝えしたのは、実は心の仕組みとして、とても大切なことが隠れているからなんです。
長い結婚生活を終えたあと、心にはどうしても、ぽっかりと空いた場所が残ります。
そこに、『誰かに必要とされたい』『女性として、まだ見てもらいたい』という願いが芽生えるのは、弱さでも、みっともないことでもありません。
人としてごく自然な、生きるエネルギーそのものなんですよ。
だからこそ、誠実な言葉をかけてくれる相手が現れると、その言葉は、乾いた心に、すっと沁み込んでいくんです。
それは自然な心の動きで、けっして油断していたわけでも、愚かだったわけでもないんですよ。
ここで大切なのは、あなたが感じている『素敵な人だ』という気持ちと、その相手が本当に信頼できるかどうかは、別の問題だということなんです。
気持ちが本物であることと、相手が本物であることは、イコールではないんですね。
もし相手に良くない思いがあるとしたら、そういう人ほど、あなたが言ってほしい言葉を、とても上手に選んで届けてくるものなんです。
それに心が揺れてしまうのは、あなたが弱いからではなく、まっすぐで優しいからこそなんですよ。
そして、ご友人や息子さんの反対に、あなたが『責められている』ように感じてしまうのも、無理はありません。
でも、本当にぶつかっているのは、あなたと周りの人ではないんです。
『もう一度、誰かを信じたいと願う、あなたの心』と、『あなたに傷ついてほしくない、周りの愛情』。
その二つが、すれ違っているだけなんですよ。
どちらも、あなたを想う気持ちから生まれています。
敵は、本当は、どこにもいないんです。
だから、周りを『納得させよう』と、急がなくて大丈夫。
むしろ、『心配してくれて、ありがとう。だからこそ、一緒に確かめてほしいの』と、伝えてみてください。
強く反対していた人ほど、いざとなれば、あなたを守るいちばん心強い味方になってくれますよ。
これを読んでくださっている、もう一度、誰かのそばで幸せになりたいと願う、あなたへ。
その気持ちは、何歳になっても、とても尊いものです。
どうか、その温かい気持ちを大切にしながら、同じくらい、ご自分のことも大切に守ってあげてくださいね。
焦らなくて、大丈夫ですからね。