私が先ほど「まず、ご主人とお相手の関係が今も続いているのかを確かめてみましょう」とお伝えしたのは、実は心の仕組みとして、とても大切なことが隠れているからなんです。
裏切りを知ったとき、私たちの心は、まず「真実を知りたい」と「知りたくない」のあいだで、激しく引き裂かれます。
でも、本当にあなたを苦しめているのは、不倫という事実そのものだけではないんです。
「これから、どうなってしまうのか分からない」という、先の見えなさ。
この宙ぶらりんの状態こそが、心を一番すり減らしてしまうんですよ。
私たちの心が耐えられないのは、辛い事実そのものよりも、はっきりしないまま待たされ続けることのほうなんですね。
だからこそ、まず事実の輪郭をはっきりさせることが、その消耗を止める第一歩になるんです。
たとえ知るのがこわい内容だとしても、はっきりしたことには、人はちゃんと向き合っていける力を持っているんですよ。
そして、もう一つ。
あなたは「信頼を取り戻す正解」を探していらっしゃいましたね。
でも、心の仕組みとして、正解を先に決めてから動こうとすると、人はかえって動けなくなってしまうんです。
なぜなら「正解」は、相手の出方や状況によって、いくらでも変わってしまうから。
自分ではコントロールできないものを軸にすると、心はいつまでも不安の中に置かれてしまうんですね。
だから、順番をそっと入れ替えてみてほしいんです。
「どうすれば戻れるか」ではなく、「私はどうしたいか」を、先に。
あなたの願いは、誰にも奪えない、あなただけの軸なんです。
その軸がひとつ定まると、失いかけていた「自分で選んでいい」という感覚が、少しずつ戻ってきます。
そして不思議と、次の一歩も見えてくるものなんですよ。
これを読んでくださっている、大切な家族に裏切られて、それでもまだ壊したくないと願っている、あなたへ。
見なかったことにするのも、真実に向き合うのも、どちらが偉いということは、ありません。
ただ、どちらを選ぶにしても、あなたが自分の気持ちに嘘をつかないでいてほしいんです。
家族を思うあまり、あなた自身の心を、後回しにしないでくださいね。
急いで答えを出さなくて、大丈夫。
まずは、傷ついたあなたの心を、少しだけ休ませてあげましょう。
答えは、あなたが落ち着きを取り戻したあとに、ゆっくり選べばいいんですからね。