私が先ほど『お姉さんが悪い、ではなく、私たちの家計が心配、へ軸を移しましょう』とお伝えしたのは、実は心の仕組みとして、とても大切なことが隠れているからなんです。
人は、『あなたのここが間違っている』と責められると、たとえ内容が正しくても、心が反射的に扉を閉じてしまうんです。
これは、防衛反応と呼ばれる、誰にでもある心の働きなんですね。
ご主人にとって、お姉さんは長年連れ添ってきた家族です。
その人を否定されることは、まるで自分の一部を否定されるように感じてしまう。
だから、あなたがどれだけ正論を伝えても、『家族なんだから』と壁を作ってしまうんですね。
本当にぶつかっているのは、お金そのものではないのかもしれません。
ぶつかっているのは、『どちらの家族を大切にするのか』という、心の優先順位なんです。
あなたは、『今の私たちの家庭を守りたい』。
ご主人は、『生まれ育った家族も守りたい』。
どちらも、家族を思う優しさから生まれている気持ちなんですよ。
だからこそ、この問題は、勝ち負けで決着をつけないほうがいいんです。
どちらかが我慢して折れる、ではなく、二人で新しいルールをつくる。
『我が家として、どこまでなら無理なく助けられるか』を、一緒に決めてみる。
その線引きこそが、あなたとご主人の暮らしを守ってくれる、目に見えない壁になるんです。
それに、『毎月ここまで』という約束が一つあるだけで、ご主人はお姉さんに対しても、『これは、うちで決めたことだから』と、角を立てずに線を引けるようになります。
自分がお姉さんを突き放してしまった、という罪悪感を、抱えずにすむんですね。
だから境界線は、あなたを守るだけではなく、ご主人の心の重荷も、そっと軽くしてくれるものなんですよ。
境界線というのは、決して冷たいものではありません。
大切なものを、大切にし続けるための、優しい仕切りなんですよ。
これを読んでくださっている、大切な家庭を守ろうと必死になっているあなたへ。
お金の心配を抱えながら、それでもご主人を悪者にしないでいるあなたは、本当に優しい方です。
その優しさは、いつか必ずご主人にも伝わっていきます。
焦らなくて、大丈夫ですからね。
まずは責める言葉を一つだけ、『一緒に考えよう』に変えてみる。
その小さな一歩から、ゆっくり始めていけば、それでいいんですよ。