私が先ほど「読みたいなと思えるまでは、開くことはありません」とお伝えしたのは、実は心の仕組みとして、毒となる家族との関係を守るための、いちばん大切な防御策だからなんです。
ご相談者様のように、子供の頃から家庭の重い役割を背負いながら、ご自分の力で立ってこられた方を、心理学では「搾取子」と呼ぶことがあります。
そして、親からの愛情をたくさん受け取ってきた弟さんのような立場は、「愛玩子」と呼ばれます。
この「搾取子と愛玩子」の構造の中で育った方は、無意識のうちに「ご自分が我慢して、家族を回す役」になることが、当たり前になってしまっているんですよ。
だから、絶縁状態にあっても、母からのメールひとつで、ご自分の中に「ちゃんと応えなければ」「冷たいと思われたくない」という、深い罪悪感が湧いてきてしまうんですね。
でも、その罪悪感は、ご相談者様が「冷たい人」だから湧いてくるのではないんです。
長年、過剰に背負わされてきた「家庭を回す責任」が、今もご自分の中に染みついている、その名残なんですよ。
これを読んでくださっている、毒のある家族との関係で苦しんでいるあなたへ。
「親だから連絡を返さなければ」というルールは、もう、捨てていいんです。
特に、これまで何度も「相談はするが、意見は聞かない」「都合のいい時だけ連絡してくる」という関係が続いてきたなら――それは、健康な親子のやり取りではありません。
メールは、読むかどうか、返信するかどうか、すべてご自分の意思で決めていいんですよ。
「読まなくちゃ」「返さなくちゃ」と焦る必要はありません。1週間、1ヶ月、半年――ご自分が「読める」と感じるタイミングまで、放っておいて大丈夫です。
そして、もし本当に命に関わるような事態が起きた時は、母も父も、必ず別のルートで連絡を取ってくるはずです。電話、近所の方経由、お住まいの自治体経由――そういう本当の緊急時には、ちゃんと対応の仕方が浮かんできますからね。
それまでは、ご相談者様は、ご自分の幸せに集中していて、本当にいいんですよ。
家族との関係で、もうこれ以上、ご自分の人生を削らないでくださいね。