50代の女性です。
独身で、70代の両親と3人で暮らしています。
高齢になった両親が、だんだんと弱っていく姿を見るのが、とても辛いです。
母は買い物に出かけると度々転んで怪我をして帰り、父は1日中テレビの前に座り、昼から夕方まで寝ていることが、しばしばです。
歳をとれば弱っていくのは頭では分かっていますが、切なさが募り、辛くなって、つい両親に冷たく接してしまい、そんな自分が嫌になります。
別居も考えますが、「何かあったら」と思うと、踏み切れません。
この切なさや辛い気持ちをどう処理すれば、両親に温かく接することができるのでしょうか。

たま先生の解説
心理のポイント
私が先ほど「物事は全て両面でできている」とお伝えしたのは、実は心の仕組みとして、つい辛さに引きずられがちな日々を整える、いちばん大切な考え方だからなんです。
両親が老いていく姿を見る切なさには、いくつもの感情が、複雑に絡み合っています。
「お父さん、お母さんがいなくなったらどうしよう」という喪失への不安。「もっと早く親孝行しておけばよかった」という後悔。「私が看なきゃいけないのかな」という将来への重圧。「元気だった頃の両親を返してほしい」という願い。
これらが、無意識のうちに頭の中で渦巻いているから、目の前の小さな出来事――母が転んだ、父が寝てばかり――に対しても、必要以上に切なくなってしまうんですね。
そして、その切なさが消化しきれないまま外に出ると、不思議と「冷たい態度」というかたちで、出てきてしまうことがあるんですよ。
これは「親に冷たくしたい」のではなくて、「自分の心が悲しすぎて、温かい言葉が出てこない」状態なんです。
ですから、ご自分を責めないでくださいね。
その代わりに、視点をひとつ、変えてみてください。
「親の老化」を「ただ失っていく時間」と見るのか、それとも「お父さん、お母さんと過ごせる、最後の貴重な時期」と見るのか――この捉え方の違いだけで、毎日の景色は驚くほど変わっていきます。
これを読んでくださっている、老いていくご両親と暮らしているあなたへ。
「優しくしてあげなきゃいけない」と頑張れば頑張るほど、心は重くなってしまいます。
そうではなくて、「今日はお母さんとお茶を一杯飲んだ」「お父さんに新しいタオルケットをかけてあげた」――そんな小さな、具体的な行動を、ひとつずつ重ねていってみてください。
立派な親孝行を目指さなくていいんです。
ご両親も、立派に介護されたいわけではなくて、ただ「あなたが隣にいてくれること」「あなたが笑顔でいてくれること」を、いちばん喜んでいらっしゃるはずですよ。
ご自分にも優しく、ご両親とも穏やかに――その時間を、ゆっくり育てていってくださいね。