私が先ほど「他者をコントロールすることはできない」とお伝えしたのは、実は心の仕組みとして、人間関係でいちばん大切な原則だからなんです。
私たちは、誰かにひどいことを言われると、「相手を変えたい」「分からせたい」「謝らせたい」と、強く思ってしまいます。
これは、傷つけられた側として、ごく自然な反応なんですよ。
でも、長年にわたって心理学が積み上げてきた答えがあって――他人を「変える」ことは、私たちには、ほとんどできないんです。
これは姉妹に限らず、夫婦でも、職場でも、友人関係でも、変わらない真実なんですよ。
ですから、お姉さんに対して「正しさをぶつけて改めさせよう」と頑張れば頑張るほど、お互いの間に火花が散って、関係はもっと悪くなってしまうんですね。
そして、ひとつ大切な視点があります。
人にきつい言葉を投げる人は、本人の心の中にも、つらい荷物を抱えていることが多いんですよ。
学校でうまくいかないことがあったり、進路の悩みがあったり、自分の中の自信のなさを、誰かに当たることで紛らわしていることもあります。
お姉さんの言葉が低俗なのは、お姉さん自身がご自分を大切にできていない、心の現れでもあるんです。
これを読んでくださっている、ご家族との関係で苦しんでいるあなたへ。
「自分が変わったら、相手も変わるかもしれない」――それは、相手の機嫌を取って黙って我慢する、という意味ではないんですよ。
「自分の周りに穏やかな空気を置く」「自分を大切にして満たす」――これを続けていくと、自分の心が削られにくくなって、相手の暴言が以前ほど深く刺さらなくなるんです。
それが続いていくと、不思議とご家族の中の空気も、少しずつ変わっていきますよ。
そして、もし「自室で泣く」ほど辛い日が続いているなら、信頼できる大人――お母さんやお父さん、学校の先生、スクールカウンセラーなど――に、自分の気持ちを話してみてくださいね。
ひとりで抱え込まなくていいんです。
あなたの優しさと、繊細な感受性は、これからの人生で本当に大切な宝物になります。それを大事に守りながら、ゆっくり大人になっていってくださいね。