50代の女性です。時折、孫を連れて帰ってくる娘についての悩みです。
実家とはいえ、気がつけば家の中はすっかり娘と孫のペースに変わり、私が大切にしてきた家具も、「孫の誕生日写真を撮るため」という理由で、勝手に移動されていました。
ほんの一言、気になったことを伝えただけのつもりでも、娘からは強い言葉が返ってきます。
娘のためを思って、これまで一生懸命にしてきた孫のお世話も、「結局はただ娘を甘やかしていただけだったのではないか」と、深い反省と精神的な疲れが、こみ上げてきます。
このまま今の関係や生活を続けていって良いのか、それとも一度しっかりと距離を置いた方が良いのか。
答えが出せずに、悩む日々を過ごしています。

たま先生の解説
心理のポイント
私が先ほど「線引きを娘さんに伝えましょう」とお伝えしたのは、実は心の仕組みとして、優しいお母さんほど後回しにしてしまいがちな、大切な対話だからなんです。
「娘との関係を悪くしたくない」「孫に会える機会を減らしたくない」――そんな優しさがあるからこそ、不快なことがあっても、つい笑顔で受け流してしまう方が多いんですよ。
でも、それを続けていると、お母さん側の負担が積もっていって、ある日「もう関わりたくない」というところまで、追い詰められてしまうんですね。
そして、もうひとつ大事なポイントがあります。
「優しいお母さん」のもとで育った方ほど、お母さんの「ちょっと気になる」というサインを、自然と聞き流す癖がついていることがあるんです。
これは、悪気があるわけではなくて、長年「我慢してくれるお母さん」を見てきたから、なんですね。
ですから、線を引き直すというのは、「娘さんが急に変わってくれる」ことを期待することではなくて、「お母さんが、これから言葉と態度で、少しずつ教え直していく」ということなんですよ。
これを読んでくださっている、成人したお子さんとの距離感で悩んでいるあなたへ。
「親」と「子」の関係は、お子さんが成人したら、新しいかたちに更新していく必要があるんです。
子どもの頃のように何でも受け入れ続けると、お子さんの中の「実家=何をしても許される場所」というイメージが、ずっと変わらないままになってしまいます。
「あなたを大切に思っているから、私のペースも大切にしてほしい」――そんな伝え方で、十分なんですよ。
最初の数回は、お互いに少し気まずさが残るかもしれません。でも、続けていくうちに、娘さんも「お母さんの体や時間を尊重しよう」という意識に変わっていきます。
それは決して、関係を悪くすることではなくて、お互いを大人として尊重し合う関係に育てていくための、大切な一歩なんですよ。
ご自分の家の中の主人公は、ご相談者様ご自身です。
その当たり前のことを、優しく、はっきりと、伝えていってくださいね。