私が先ほど「死を軽んじているのではなく、重たすぎるから振り払いたいのかもしれない」とお伝えしたのは、実は心の仕組みとして、人間は抱えきれないほどの強い恐怖や悲しみを感じた時、それをごまかすために真逆の行動をとることがあるからです。
心理学では「防衛機制」と呼ばれるものですが、お父様を突然亡くされたという経験は、当時小学4年生だった長男くんにとって、言葉では表現できないほど圧倒的な出来事だったはずです。心の中に渦巻く「また誰かいなくなったらどうしよう」「死ぬのが怖い」という不安に押しつぶされそうになっているからこそ、「死ね」という強い言葉をあえて使うことで、その恐怖をコントロールしようとしている、あるいは強がって見せている状態なのだと考えられます。
この記事を読んでいる方の中にも、お子さんの激しい暴言や理解できない行動に傷つき、悩んでいる方がいらっしゃるかもしれませんね。
そんな時に意識していただきたいポイントは、表面的な「言葉」だけを正そうとするのではなく、その奥にある「本当の感情」に目を向けてあげることです。「そんな言葉を使っちゃダメ!」と否定するのではなく、「あなたは今、何かに傷ついているんだね」「本当は不安なんだね」と、心の底にあるSOSを汲み取ってあげてください。
子供は、自分の本当の気持ち(恐怖や寂しさ)を親が理解して受け止めてくれたと感じた時、初めて安心し、尖った言葉を使う必要がなくなっていきます。すぐに変化は見えないかもしれませんが、「私はあなたの味方だよ」「一緒に生きていこうね」という温かいメッセージを伝え続けることが、子供の心を癒す一番の特効薬になるのです。お母さんご自身の心も労わりながら、少しずつお子さんの心に寄り添ってあげてくださいね。