私が先ほど「100点を帳消しにしてしまうくらいの、大きなこと」とお伝えしたのは、実は心の仕組みとして、とても大切なことが隠れているからなんです。
人は、大切にしたい相手や、壊したくない関係があるとき、無意識のうちに「良いところ」を大きく見て、つらい部分を小さく見積もろうとするんです。
「お酒さえなければいい人なんだから」という言葉は、あなたが必死にこの家庭を守ろうとしてきた、優しさの証でもあるんですよ。
でも、その優しさに慣れてしまうと、いつの間にか「傷つけられている自分」の気持ちが、後回しになってしまうんです。
本当は、あなたの心はとっくに「つらい」と悲鳴をあげているのに、「これくらい我慢しなきゃ」と、自分でフタをしてしまう。
顔色をうかがい続けて心がすり減っていくのは、そのフタの下で、あなたの本当の気持ちが、ずっと泣いているからなんです。
それからね、お酒を飲むと人が変わってしまうことについても、お伝えしておきたいことがあります。
あれは、ご主人の本来の性格が悪いからでも、あなたへの愛情が足りないからでもないことが、とても多いんです。
お酒が、その人の理性のブレーキを、そっと外してしまう。
しらふのときの穏やかなご主人も、酔ったときのご主人も、本当は同じひとりの方なのに、まるで別人のように見えてしまう。
それは、そのブレーキが利いているかどうかの、違いだけなんですね。
だからこそ、「気合いでやめる」のではなく、専門家の力を借りることが、遠回りのようでいちばんの近道なんですよ。
そして、「別々に暮らすことも考えている」と伝えることは、けっして冷たいことでも、脅しでもありません。
それは、「私と子どもを、これ以上は傷つけさせない」という、あなた自身を大切にするための、静かな宣言なんです。
線を引くことは、相手を突き放すことではなく、あなたが壊れてしまわないための、そっとした自衛なんですよ。
これを読んでくださっている、大切な人の優しさを信じて、長いあいだ一人で耐えてきたあなたへ。
あなたが感じている「つらい」という気持ちは、わがままでも、大げさでも、ありません。
その気持ちを、どうか、いちばんに大切にしてあげてくださいね。
あなたの心と体は、あなたと、お子さんのものなんです。
焦らなくて、大丈夫ですからね。