私が先ほど「どちらか一つを選ばなくていい」とお伝えしたのは、実は心の仕組みとして、とても大切なことが隠れているからなんです。
人はね、不安が強くなると、ものごとを「あれか、これか」の二択で見てしまう癖があるんです。
追いつめられると、視野がぎゅっと狭くなって、本当はいくつもある選択肢が、扉が二つしかないように見えてしまうんですね。
でも、あなたが本当にぶつかっているのは、「結婚か、推しか」ではないんです。
ぶつかっているのは、「本当の自分を見せても、受け入れてもらえるだろうか」という、もっと奥にある不安なんですよ。
その不安が大きくなると、「隠す」か「あきらめる」かの、二つしか道がないように感じてしまうんですね。
でも、そのあいだには、「正直に話して、二人で続け方を考える」という道が、ちゃんとあるんですよ。
推し活というのは、あなたにとって、ただの趣味ではありませんよね。
自分を自分でいさせてくれる、心の拠りどころ。
だからこそ、それを隠すというのは、自分の一部にそっと蓋をして生きるのと、同じことなんです。
好きなものを「たいしたことない」と小さく見せ続けると、心はその分だけ、静かにすり減っていきます。
そして、いちばん大切な人にだけ本当の自分を隠している――その事実が、じわじわと二人の間に距離を作ってしまうこともあるんです。
親密さというのは、「知ってもらえた」という安心から、育っていくものですから。
隠しごとがある関係は、どんなに仲が良くても、どこかで息をひそめてしまうんですね。
だから、正直に打ち明けるというのは、推し活を守るためだけの話ではないんです。
それは、「ありのままの自分で、この人の隣にいたい」という、あなたの願いそのものなんですよ。
これを読んでくださっている、大切なものと、大切な人との間で揺れているあなたへ。
好きなものがあるあなたは、何も悪くありません。
そして、それを隠してしまうほど彼女を大切に思っているあなたも、とても優しい人です。
どうか、あなたの「好き」を、後ろめたいものにしないでくださいね。
本当のあなたを見せることは、関係を壊す行為ではなく、二人の信頼を、もう一段深くするための一歩なんです。
焦らなくて、大丈夫ですからね。
言葉を選びながら、少しずつ、あなたの世界を彼女に開いていけばいいんですよ。