私が先ほど、「ご主人が疑ってしまうのは、あなたを大切に思うからこその不安なんです」とお伝えしたのは、実は心の仕組みとして、とても大切なことが隠れているからなんです。
人は、どうでもいい相手には、嫉妬も心配もしないものなんですよ。
疑いや束縛に見える言葉の下には、たいてい「失いたくない」という、もっと素直な気持ちが眠っています。
つまり、いま本当にぶつかっているのは、「常識か、非常識か」ではないんです。
「あなたを信じたいのに、信じきれない」という、ご主人の心の揺れなんですね。
人は、不安がふくらみすぎると、それを「怖い」「さびしい」と素直に口にするのが苦しくて、つい怒りという強い形に変えてしまうことがあるんです。
ご主人の「これが浮気じゃないなら何なんだ」という激しい言葉の奥にも、それだけあなたを失うのが怖かった、という気持ちが隠れているのかもしれません。
そして、もう一つ。
あなたが感じている「納得できない」という気持ちも、とても自然なものなんです。
やましいことをしていないのに疑われるのは、自分を丸ごと否定されたように感じて、苦しいですよね。
だからあなたは、「夫が古い」という言葉で、傷ついた自分の心を守ろうとしたのかもしれません。
それは、悪いことでも、弱いことでもないんですよ。
ただ、お互いが「自分は正しい」と主張し合っている間は、二人の距離はなかなか縮まりにくいんです。
もし少しだけ心に余裕が持てたら、「疑われて悲しかった」という自分の気持ちと、「心配させてしまったね」というご主人への言葉を、静かに並べて置いてみてくださいね。
正しさを競うのをやめた瞬間に、ふっと通じ合えることがありますから。
これは、あなたが折れて我慢する、という話ではないんですよ。
ただ、ご主人の不安と、あなたのさびしさを、責め合いの外側にそっと並べて置いてみる。
それだけで、二人のあいだに流れる空気は、少しずつやわらいでいくものなんです。
これを読んでくださっている、自由でいたい気持ちと、大切な人との暮らしのあいだで揺れている、あなたへ。
自由を求めることも、誰かと寄り添うことも、どちらも間違いではありません。
大事なのは、あなたがどちらを選ぶのかを、誰かに決められるのではなく、あなた自身の心で選んでいくことなんです。
焦らなくて、大丈夫ですからね。
答えは、これから少しずつ見つけていけばいいんですよ。