私が先ほど「家を建てること自体を、いったん止めるかもしれません」とお伝えしたのは、実は心の仕組みとして、とても大切なことが隠れているからなんです。
土地をどちらにするか、という問題は、一見すると「場所選び」の話に見えますよね。
でも、その奥で本当にぶつかっているのは、場所ではなく、それぞれが大事にしている「安心の形」なんです。
奥さまにとっての安心は、親のそばで、支えてもらいながら子育てをしていくこと。
あなたにとっての安心は、夫婦二人の力で家庭を築いて、気を使わずに暮らせること。
どちらも間違っていませんし、どちらも、家族を大切に思うからこそ出てくる願いなんですよ。
ここで、片方の「場所」を先に決めてしまうと、選ばれなかった側は「自分の安心を否定された」と感じてしまいます。
だから、家という形から入ると、必ずどちらかが傷つく構造になってしまうんですね。
順番を、逆にしてみてください。
まずは、土地の話をいったん脇に置いて、「私たちは、どんな暮らしをしたいんだろうね」と、二人で話す時間をつくってみてほしいんです。
もう一人子どもが欲しいこと、育児のサポートがどれくらい必要か、あなたが気を使わずに暮らすには何があればいいか。
そういう、暮らしの中身をすり合わせていくと、実は「実家の敷地でなくても、この条件がそろえば安心できる」という着地点が、見えてくることが多いんですよ。
たとえば、実家のすぐ近くの別の土地にする、という選択もありますし、しばらくは今の住まいで様子を見る、という時間の使い方もあります。
大事なのは、あなたと奥さまが「二人で決めた」という実感を持てること。
これを読んでくださっている、家づくりで意見がぶつかっているあなたへ。
家を建てるというのは、人生でも大きな決断ですから、意見が割れるのは、むしろ二人が真剣に向き合っている証なんですよ。
どちらかが折れて決めた家より、時間はかかっても、二人で納得して決めた家のほうが、これから何十年も、あたたかい場所になっていきます。
焦らなくて、大丈夫ですからね。
まずは場所ではなく、気持ちのすり合わせから、ゆっくり始めていきましょう。