私が先ほど「先輩たちは、まだよく分からない新人のことが怖いんですよ」とお伝えしたのは、実は心の仕組みとして、年上から心無い言葉を受けた時の、いちばん大切な視点だからなんです。
人は、自分より優れているかもしれない相手を目の前にすると、無意識のうちに、不安や脅威を感じます。
特にスポーツの世界では、レギュラーの椅子が限られていますから、「大型新人が入ってきた」というだけで、先輩たちは「自分の場所が脅かされるかもしれない」と、心の奥でざわついてしまうんですよ。
その不安を、本人たちも上手に整理できなくて、つい「下手すぎる」「結果出してたの?」という、攻撃的な言葉に変えてしまうことがあるんです。
これは、ご相談者様が「劣っている」からではなくて、むしろ「優れている可能性が高いから」起きてしまう反応なんですね。
ですから、その陰口を、ご自分への正しい評価のように受け取って、萎縮する必要は、本当にないんですよ。
そして、もうひとつ大事な視点があります。
スポーツに限らず、組織の中での新人時代というのは、つい「先輩に認められなければ」と力が入ってしまいます。
でも、その「認められたい」という気持ちで動くと、プレーが本来の自分らしさを失ってしまうんですね。
これを読んでくださっている、新しい環境で年上に陰口を言われているあなたへ。
「気にしない」というのは、すごく難しいことです。心無い言葉は、どうしても刺さってしまうものなんですよ。
ですから、無理に「気にしない」と頑張るのではなくて、「気になっても、自分のやることだけはやる」と決めてみてください。
挨拶はきっちり、丁寧に。練習は自分のために、淡々と。
そうやって過ごしているうちに、半年・1年と経つと、不思議と先輩たちの態度も変わってきます。
「この子は揺らがない人だな」「ちゃんと自分のペースを持っている人だな」と認識されるようになると、陰口の対象から、信頼の対象に変わっていくんですよ。
大学生活は、本当にあっという間です。
陰口を言う先輩たちの中で消耗するよりも、ご自分のために、ご自分のプレーを、楽しみながら磨いていってくださいね。