義理のお母様、長年のDVという本当に辛いご経験をされて、今もその後遺症と闘っていらっしゃるのですね。ご主人様もご相談者様も、お母様のお体を心から心配されていて、とてもお優しいご家族だなと感じました。
お母様はご自身の身の上に対して強い罪悪感を抱えていらして、ご相談者様ご家族にお金を渡すことで、心のバランスを取ろうとされているのかもしれませんね。
ただ、少し状況を整理してみましょうね。ご主人様のお母様ですから、本来であれば息子であるご主人様がお母様を扶養するのが一般的な形です。しかし、何かしらのご事情があってそれが難しいため、お母様は生活保護を受給されているのですよね。
だとしたら、社会からの支援である生活保護のお金を、息子さんご家族に渡されるというのは、お金の流れとして少し違ってきてしまいます。
ですから、まずはお母様にこの「本来の支援の流れ」について、優しくお話しされてみてはいかがでしょうか。「本当は自分たちがお母さんの生活を支えなければならないのに、できなくてごめんなさい。私たちの代わりに、世の中の皆さんがお母さんを支えてくださっているんだよ。だから、そのお返しは私たちではなくて、世間様へ返してね」と伝えてみてください。
例えば、道端のゴミを拾ったり、地域のボランティアに参加したり、周りの方にできる親切をしたり。そうやって「社会に恩返しをしてほしい」とお願いしてみるのです。
また、ご事情の詳細はわかりかねますが、お母様がまだ60代くらいでお元気なのであれば、これから少しずつお仕事をされるよう背中を押してあげるのも一つの方法ですよね。そしてご相談者様ご夫婦も、お母様を支えてくれている社会に対してボランティア等を行うことで、今抱えている心の負担や罪悪感を、前向きなエネルギーとしてうまく流していかれてはいかがでしょうか。
たま先生の解説
心理のポイント
私が先ほど、「お返しは私たちではなく、世間様(社会)へ返してねとお伝えしてみてください」とアドバイスしたのは、実は心の仕組みとして、人は「誰かの役に立っている」「社会と繋がっている」と実感することで、失われた自己肯定感を少しずつ取り戻すことができるからなんです。
長年のDVなどで心に深い傷を負うと、「自分には価値がない」「幸せになってはいけない」という思い込みが強く根付いてしまいます。今回のお母様も、ご自身の食事を抜くような自己犠牲をしてまでお金を送ることで、無意識に「自分の存在価値」を証明しようとされていたのだと思います。
この記事を読んでいる方の中にも、身近な人が過剰な自己犠牲をしているのを見て、どう接していいか悩んでいる方がいるかもしれません。そんなときは、相手からの「痛みを伴うプレゼント(過剰なお金や過労など)」を無理に受け取る必要はありません。受け取ってしまうと、かえって相手の「自分を粗末に扱う行動」を肯定し、依存関係を強めてしまうことがあるからです。
その代わり、「私たちを想ってくれる気持ちはとても嬉しいよ」と愛情だけをしっかり受け取り、その上で「その優しさを、無理のない範囲で他の人や社会にも分けてあげてね」と方向を少し変えてあげてください。小さな親切を通して「ありがとう」と言われる経験を積むことが、傷ついた心を癒やす一番の特効薬になりますよ。お互いが無理なく、心地よい距離感で関わっていけるよう応援しています。