ご心配ですね。ご相談者様が息子さんの将来を案じるのは、親としてごく当然のことですよ。
「安定した仕事に就いてほしい」と願うのは、親としての理想も少し含まれているかもしれませんが、「自分の身を立てる覚悟を持って仕事をしてほしい」と願うことは、決して親のエゴなどではありません。人が生きていく上での、本当に真っ当な願いです。
YouTuberであれミュージシャンであれ、夢を持って取り組むこと、そして年齢に関係なくチャレンジすること自体は、決して悪いことではありません。ただし、夢を追いかけつつも、自分の食い扶持(生活費)はしっかりと自分で確保しておくというのが、自立した「大人」のあり方です。
息子さんは今、アルバイトなどはされていらっしゃるのでしょうか?YouTubeの活動をするにしても、食べて、寝て、という日々の生活がありますよね。その生活費はどのように賄っておられるのでしょうか。
もし、その生活費をご相談者様が負担されているのだとしたら、「あなたの生活の面倒はもう見られないよ。好きなことをするのはいいし、応援もするけれど、生活は自分でしなさいね」と、きちんとお伝えになることが大切です。それは冷たく突き放すことではなく、親としての立派な「愛」の一つの形なのではないでしょうか。
たま先生の解説
心理のポイント
今回、私がご相談者様に「生活費は自分で稼ぐように伝えるのが親としての愛」とお伝えしたのは、実は心の仕組みとして、親が良かれと思って経済的なサポートをし続けてしまうと、子どもと親との間の『自立の境界線』が曖昧になり、かえって子どもの成長の機会を奪ってしまうことになるからです。
「夢を応援する」ということと、「生活の面倒をすべて見る」ということは全くの別問題です。親が心配のあまり先回りして生活を保障してしまうと、息子さんは「自分で自分の人生の責任を取る」という大人のフェーズに移行することが難しくなってしまいます。本当に応援したいのであれば、物理的な支援を手放し、「あなたは自分で生きていける力を持っている」と信じて見守ることが、心理的な本当のサポートになります。
この記事を読んでくださっている方の中にも、成人したお子さんの将来が心配で、つい手や口を出しすぎてしまい、そんな自分を「過保護なのか、それとも冷たい親なのか」と責めている方がいらっしゃるかもしれません。
そんな時は、ご自身とお子さんとの間に、優しいけれどしっかりとした「心の境界線」を引く練習をしてみてください。「ここまでは親の責任、ここからはあなたの責任」と明確にすることで、親の心もスッと軽くなりますし、子ども自身も自分の足で歩き始める力を取り戻していきます。普通の幸せを願うのは、決して母親失格などではありません。ご自身の愛情深さを認めつつ、お子さんを信じて少しだけ見守る距離感を大切にしてみてくださいね。