私が先ほど「ご主人を変えることへ、すべての力を注いでほしくない」とお伝えしたのは、実は心の仕組みとして、とても大切なことが隠れているからなんです。
人は、自分の力ではどうにもできないものに向き合い続けると、心が少しずつ削られていってしまいます。
相手の気持ちや行動というのは、本来、あなたの手のひらの外側にあるものなんですね。
それを変えようとすればするほど、変わらない現実に打ちのめされて、「私のやり方が悪いのかな」と、自分を責めはじめてしまう。
でも、本当にぶつかっているのは、あなたの努力不足ではないんです。
「変えられないものを、変えようとしている」——ただ、それだけなんですよ。
ご主人の冷たい言葉があんなにも胸に刺さるのは、あなたの心のどこかに「夫婦なら支え合えるはず」という、まっとうで温かい願いがあるからなんです。
その願い自体は、何ひとつ間違っていません。
むしろ、そう思えるあなたの心が、とてもまっすぐな証拠なんですよ。
だからこそ、力の向きを、そっと変えてあげてほしいんです。
ご主人という「変えられない相手」から、あなた自身という「大切にできる存在」へ。
不思議なもので、自分の心を満たすことへ目を向けはじめると、同じ孤独でも、その色が少しずつ変わっていきます。
誰かに埋めてもらうしかない孤独から、自分で自分を抱きしめられる強さへ。
それは、決して冷たい割り切りではなく、あなたが自分を守るための、やさしい選択なんです。
そして、後悔しないように生きるというのは、我慢を重ねることではありませんよ。
疲れた日に手を抜くことも、休むことも、ぜんぶ「自分を大切にする」に含まれるんです。
頑張り続けることだけが、誠実さではないんですね。
自分の心の声に耳をすませて、「今日はもう休もう」と選べることも、立派な誠実さなんです。
これを読んでくださっている、今、誰にも頼れないまま頑張っているあなたへ。
あなたは、決して一人ぼっちではありませんからね。
あなたの誠実さを、あなた自身がいちばん近くで見ていてくれています。
そしてその積み重ねは、いつか巡り巡って、あなたのもとへ温かい形で返ってくるものなんですよ。
どうか、頑張りすぎた日には、何もしない時間を自分に許してあげてくださいね。
焦らなくて、大丈夫ですからね。
あなたのペースで、少しずつでいいんですよ。