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認知症の母に「どちら様ですか」と言われました。記憶から消えてしまった悲しみを受け入れられません(50代女性)

相談内容の要約
  • 長年介護してきた認知症の母から「どちら様ですか」と聞かれショックを受けた
  • 母の記憶から自分の存在が消えこれまでの思い出が自分の中にしかないことが悲しい
  • 娘ではなくなったような喪失感があり明日からどんな顔で会えばいいのか分からない

Q

58歳の女性です。長年介護してきた認知症の母がいます。最近は私の顔を見ても誰だか分からないようでした。でも心のどこかでまだ信じていました。

昨日、母は私の目を見てはっきり「どちら様ですか」と聞いてきました。その瞬間、時が止まりました。

私はもう母の娘ではなくなったのです。母の記憶から私という存在が完全に消えてしまったのでしょう。楽しかった思い出も、喧嘩した日のことも、全て私の中にしかもうありません。

明日から私はどんな顔で母に会えばいいですか。この悲しみを受け入れられません。

娘さんとして、本当に辛い出来事でしたね。いつも自分を守ってくれて、自分より一段上にいて何でもできたお母さんが、いろいろなことができなくなっていくお姿を見るのは、本当に辛くて悲しいことです。

今のお母様は、ご相談者様のことを認識することができない状態かもしれません。でもね、あなたのお母さんであることには変わりないのですよ。そして、お二人が親子であることにも変わりはありません。

あなたが生まれてから今日まで、仲良く笑い合ったり、時に喧嘩をしたり。そのすべての延長線上に「今日」があるのです。たとえご相談者様のことを頭で認識できなくなったお母様であっても、お母様はお母様です。お二人は深い魂の部分でしっかりと結ばれていますからね。

どうか、お母様の心の奥にある声と静かに対話しながら、穏やかな時間を過ごしていただきたいと願っております。

私が先ほど「認識できなくなってもお母様であり、魂で結ばれている」とお伝えしたのは、心の仕組みとして、認知症によるご家族の忘却は、残された側にとって「曖昧な喪失」という非常に深い悲しみをもたらすからなんです。

目の前に大好きな姿があるのに、私を知っている「お母さん」はもういない。この現実は、はっきりと形のあるお別れ以上に、心が処理しきれないほどの痛みと喪失感を生み出します。ご相談者様が「時が止まった」「受け入れられない」と感じるのは、娘としてお母様を深く愛してきたからこそ湧き上がる、ごく自然な心の叫びなのですよ。

私たちは普段、「記憶を共有していること」が関係性の証明だと思い込んでいます。しかし、心理学や心の深い領域において、親子の絆や愛情は脳の記憶細胞だけで作られているわけではありません。頭では忘れてしまっても、あなたが注いできた優しさや、共に過ごした温かい感情の記憶は、決してお母様の心から消え去ることはなく、心の奥底に優しく刻まれているのです。

この記事を読んでくださっている方の中にも、親御さんの老いや認知症に向き合い、「私の知っている親ではなくなってしまった」と孤独や絶望を感じている方がいらっしゃるかもしれません。

そんな時は、無理に「悲しみを受け入れなきゃ」とご自身の心を急かさないでくださいね。「悲しいね、辛いね」と、まずはご自身の涙を優しく許してあげてください。そして少し落ち着いたら、記憶という「過去の記録」ではなく、今目の前で穏やかに座っているお母様との「今の温もり」に意識を向けてみてください。お互いの魂で触れ合うような優しい時間を、これからもゆっくりと紡いでいってくださいね。


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たま先生のプロフィール

たま先生(中森 万美子)
「たま お悩み相談室」代表カウンセラー
たま先生

「妻だから」「母だから」「社会人だから」と、自分を犠牲にして頑張りすぎているあなたへ。心をフワッと軽くする「自分ファースト」な生き方を提案する心理カウンセラーです。

2025年からSNSでの発信を開始し、フォロワーは累計4万人を突破。夫婦問題から職場の人間関係、漠然とした孤独感まで、年代を問わず幅広いご相談にお答えしています。

「もう限界…」「誰かに分かってほしい」——そんな行き場のない思いを抱えた方が、最後にホッと息を吐ける『心の駆け込み寺』として、全国からオンラインでご相談に寄り添っています。


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