私が先ほど「あなたは何も間違っていませんよ」とお伝えしたのは、実は心の仕組みとして、とても大切なことが隠れているからなんです。
ご相談を読むと、料理や家電や、お金の話が出てきますよね。
でも、本当にぶつかっているのは、料理そのものでも、家電そのものでもないんです。
ぶつかっているのは、「私はこの家で、対等な一人として扱われているのかな」という、尊重の問題なんですよ。
人は、モノを否定されて傷つくのではないんです。
そのモノに込めた自分を、まるごと軽く扱われたと感じたときに、深く傷ついてしまうんですね。
作ったお料理に、不機嫌な顔をされる。
相談もなく、勝手に決められる。
「自分で稼げば」と、線を引かれる。
そのひとつひとつが、「あなたの気持ちは、この家では数に入っていませんよ」というメッセージのように、心に積もっていくんです。
だから、あなたが感じているのは、たんなる不満ではありません。
「ここにいる私を、ちゃんと見てほしい」という、切実な声なんです。
こういうやりとりが続くとね、人は少しずつ「私の感じ方のほうが、おかしいのかな」と、自分のほうを疑いはじめてしまうんです。
でも、それは心が疲れてきたサインであって、あなたの感覚が狂っているわけではないんですよ。
ちゃんと違和感を覚えられているあなたの心こそ、いちばん正直なんです。
そして、もうひとつ。
専業主婦だから、稼いでいないから、意見してはいけない――そんなルールは、どこにもないんですよ。
家庭は、お金を出した人が偉い場所ではありません。
二人で暮らしを回していく、対等なチームなんです。
家事という働きは、お金と同じくらい、その暮らしをしっかり支えているんですから。
あなたが毎日を回してくれているから、その家はちゃんと家として続いているんですよ。
それは、お金には決して換えられない、大きな大きな働きなんです。
これを読んでくださっている、毎日おうちを守りながら、心のどこかで少しさみしくなっているあなたへ。
あなたの声は、尊重されていいんです。
「これくらいで」と、自分を小さくしなくて大丈夫。
今日じゅうに何かを変えられなくても、いいんですよ。
まずは自分だけでも、「私、よくやっているよ」と、その頑張りを認めてあげてくださいね。
焦らなくて、大丈夫ですからね。