カウンセリング

「夫婦カウンセリングは意味ない?」と感じたあなたへ|原因と対処法を専門カウンセラーが解説

夫婦関係に悩み、「夫婦カウンセリングを受けてみよう」と決断するのは、とても勇気のいることです。けれど実際に受けてみたら、「結局、何も変わらなかった」「時間とお金の無駄だったかも…」とがっかりしたという声も少なくありません。そんな思いを抱えてこの記事にたどり着いたあなたも、今まさに迷いや疑問を感じていらっしゃるのではないでしょうか。

こんにちは、夫婦問題専門カウンセラーのたまです。これまで数多くのご相談を受けてきた中で、「カウンセリングに意味がなかった」と感じた方もいれば、「あの時間が夫婦関係の転機になった」と話してくださる方もいます。どちらの声にも共通しているのは、「何を期待して、どう受けたか」によって結果が大きく変わるということ。

この記事では、「夫婦カウンセリングが意味なかった」と感じる背景やその理由を整理しながら、どうすれば納得のいく時間になるのか、どんな選択肢があるのかを丁寧にお伝えしていきます。あなたがこの先、自分らしく安心して夫婦の問題と向き合えるよう、一緒に考えていきましょう。

夫婦カウンセリングが「意味ない」と感じるのはどんなとき?

夫婦カウンセリングに期待していたものが得られなかったとき、多くの方が「意味がなかった」と感じます。ここでは、よくある4つのケースについて見ていきましょう。

変化が見えず、時間とお金だけが減ったとき

カウンセリングを受ける目的は、「夫婦関係を改善したい」「気持ちをわかってもらいたい」という変化への期待です。しかし、数回通っても夫婦の関係性に目に見える変化がなかった場合、「意味がなかった」と落胆してしまうのも無理はありません。とくに、家計を気にしながら費用を捻出していたり、忙しい中で時間をつくっていた場合、その損失感は大きくなりがちです。

パートナーが本気で向き合ってくれないとき

夫婦カウンセリングは、どちらか一方だけが頑張ってもなかなかうまくいきません。たとえば、妻が真剣に向き合っていても、夫が「ただ座っているだけ」「誰かに責任を押しつけたいだけ」のような姿勢では、対話が深まらず、解決にもつながりません。「どうせ変わらない」と感じてしまうのは、パートナーとの温度差による疲れの表れでもあります。

カウンセラーとの相性が合わなかったとき

カウンセラーの発言が冷たく感じられたり、「なんとなくわかってもらえていない」と感じた経験はありませんか?カウンセリングは人と人との対話です。どんなに実績のあるカウンセラーでも、相性が合わなければ安心して話せず、かえって心が閉じてしまうこともあります。信頼関係が築けないまま進むカウンセリングでは、当然ながら効果も実感しづらくなります。

「話を聞くだけ」で終わってしまったと感じたとき

「話をたくさん聞いてもらえたけれど、結局どうすればよかったのかわからなかった」と感じる方も多くいらっしゃいます。とくに、明確なアドバイスや行動の提案を求めていた場合、「ただ聞いてもらっただけ」という印象が残りやすくなります。カウンセリングのスタイルによっては、“傾聴”を大切にするためにアドバイスを控える場合もあり、それがかえって「物足りなさ」や「意味のなさ」に繋がることもあります。

「意味がなかった」と感じる人のリアルな体験談

ここでは、実際に「夫婦カウンセリングは意味がなかった」と感じた方々の声をご紹介します。どれもよくある悩みばかりであり、あなただけが感じているわけではありません。まずは、共感からはじめてみましょう。

「モラハラ夫と来たけど、全く改善せず」

「夫のモラハラが辛くて、藁にもすがる思いでカウンセリングに行きました。でも、夫は終始ふてくされた様子で、反省するどころか“そんなつもりはない”の一点張り。カウンセラーも夫に対して強く言えない感じで、私は“また否定された”という気持ちだけが残ってしまいました」

モラハラが関係している場合、一方が圧倒的に力を持っているケースが多く、その場で対等な会話が成立しづらいことがあります。こうした場合、通常の夫婦カウンセリングではなく、個別での心理的支援が必要になることもあります。

「話すだけで終わって、何をすればいいか分からなかった」

「カウンセラーの方は丁寧に話を聞いてくれたけど、結局『これからどうすればいいか』が分からないままでした。毎回のセッションで『今日はどうでしたか?』と聞かれて、それに答えるだけ。何のために通っているのか、だんだん分からなくなってきて、通うのをやめました」

カウンセリングでは、問題の“根っこ”をじっくり掘り下げることも多いため、即効性は期待できないこともあります。ですが、本人が「手ごたえ」を感じられないままだと、意味のなさを感じやすくなってしまいます。

「夫が消極的で、私だけ頑張っている感じが辛かった」

「夫婦で来たけれど、夫は“話を聞いてるだけ”で、自分の気持ちを出そうとしない。カウンセラーに言われたことも、『別に…』って感じで受け止めようとしない。毎回、私ばかりが自分の気持ちをさらけ出して、終わった後にどっと疲れていました。私だけが頑張っているようで、むなしかったです」

カウンセリングが有効に機能するには、両者が「関係をよくしたい」という意志を持って臨むことが前提です。パートナーの協力が得られないまま続けても、成果は出にくく、相談者自身が消耗してしまうこともあります。

実は効果を感じている人も多い!その違いとは?

「意味がなかった」と感じる声がある一方で、「夫婦カウンセリングで関係が変わった」「やってよかった」と実感している方も少なくありません。その違いはどこにあるのでしょうか?実際に効果を感じた方々に共通していたポイントを見ていきましょう。

カウンセリングの目的が明確だった

「私たちは“これからも一緒に暮らしていけるか”を見極めるためにカウンセリングを利用しました」――そんなふうに、あらかじめ“何のために受けるのか”を明確にしていたご夫婦ほど、カウンセリングの中で得られる気づきや学びを受け取りやすくなります。
目的がぼんやりしていると、どこに向かって話しているのか分からなくなり、ただ時間を費やすだけになってしまうことも。逆に、「改善したいこと」や「知りたい答え」がはっきりしていれば、限られた時間の中でも充実した対話が生まれやすくなります。

夫婦で“関係を変える”意思があった

カウンセリングの成功に最も大きく関わるのが、夫婦の「関係を変えたい」という共通の意思です。
一方だけが変わろうとしても、もう一方にその気持ちがなければ、対話はすれ違ってしまいます。効果を感じたご夫婦に話を聞くと、「最初は恥ずかしかったけど、二人で前向きに取り組んだ」「夫婦として“再スタート”する覚悟ができた」といった前向きな姿勢が見られます。たとえ小さな一歩でも、“一緒に歩む”ことに意味があるのです。

第三者の視点を素直に受け入れた

夫婦間の会話は、どうしても感情が先に立ってしまいがちです。「そんな言い方してない!」「そっちこそ!」と、過去の言動にとらわれて冷静になれないこともありますよね。
効果を感じた方の多くは、カウンセラーという“第三者の視点”を受け入れる柔軟さを持っていました。自分では気づけなかった思考の癖や、相手の本当の気持ちを知ることで、「そういう見方もあるんだ」と新たな気づきが得られたという声も多くあります。

夫婦カウンセリングを「意味あるもの」にするためのコツ

せっかく時間とお金をかけて受ける夫婦カウンセリング。「意味がなかった」と後悔しないためには、いくつかのポイントを意識しておくことが大切です。ここでは、カウンセリングを有意義な時間にするためのコツをご紹介します。

カウンセラー選びは「専門性」と「相性」が大事

どんなに評判のよいカウンセラーでも、自分たち夫婦との相性が合わなければ、心を開いて話すのは難しくなります。また、夫婦問題に特化していないカウンセラーでは、微妙な関係性の機微や対話のバランスにうまく対応できないこともあります。選ぶ際は、「夫婦問題専門」であること、そして実際に話してみて「この人なら安心して話せる」と感じられること。この2つがとても重要です。

「何を変えたいのか」を事前に言語化する

ただ漠然と「うまくいかないから…」と相談するよりも、「夫の○○という行動をやめてほしい」「喧嘩のたびに無視されるのがつらい」など、具体的に“何を変えたいのか”を整理しておくことで、カウンセリングの精度が高まります。事前に一人でメモに書き出してみたり、カウンセリング前に夫婦で共有することもおすすめです。目的が明確になると、対話もより実践的になります。

1回きりで判断せず、数回続けてみる視点を持つ

1回や2回で劇的な変化を求めるのは、カウンセリングでは少し難しいのが正直なところです。関係性の改善には時間がかかりますし、最初の数回は「何が問題なのか」を整理する段階にとどまることもあります。「続けても無駄かも」と思う前に、最低でも3回程度は続けてみると、徐々に話が深まり、変化の兆しが見えてくることもあります。

カウンセリング以外のサポート(本・コミュニティ)も併用する

カウンセリングだけにすべてを委ねようとすると、思うような結果が出なかったときに落胆も大きくなります。そうならないためにも、信頼できる本を読んだり、同じような悩みを抱える人が集まるコミュニティに参加するなど、並行して他のサポートも活用してみましょう。客観的な知識や他者の経験談から、気づきを得られることも多くあります。たま夫婦のお悩み相談室でも、無料相談やサロンをご用意していますので、ぜひご活用くださいね。

もしカウンセリングが合わなかったときの選択肢

夫婦カウンセリングを受けてみたけれど、「どうしても合わなかった」「思うような効果が感じられなかった」。そんなときに無理に続ける必要はありません。我慢して続けるよりも、自分たちに合った別の方法を見つけることが、夫婦関係を前に進める近道になります。ここでは、カウンセリング以外にできることをご紹介します。

別のカウンセラーに切り替えるのもOK

最初に選んだカウンセラーが合わなかったからといって、カウンセリングそのものを否定する必要はありません。実際、「最初の人は違和感があったけど、2人目のカウンセラーで大きく変われた」というケースもたくさんあります。人と人との相性はありますし、対応の仕方や専門性も人それぞれ。「切り替えるのは失礼では?」と思わず、自分たちに合うサポートを探す感覚で、前向きに選び直してみてくださいね。

セルフカウンセリングや夫婦向け書籍を活用する

「いきなり対面はハードルが高い」「まずは自分の気持ちを整理したい」という場合は、セルフカウンセリングや書籍を取り入れるのも有効です。最近では、夫婦関係をテーマにした信頼できる書籍や、気軽に取り組めるワークブック形式の本も増えています。書き出すことで自分の感情や思考のクセに気づけることも多く、パートナーとの対話を始めるきっかけにもなります。

個別相談や浮気調査など、他の専門サービスも検討を

夫婦関係の問題は、カウンセリングだけでは対処しきれないこともあります。たとえば、「浮気の疑いがある」「離婚を視野に入れている」といった場合は、専門家による個別相談や探偵事務所の調査を通して、客観的な事実やアドバイスを得ることも選択肢の一つです。自分を守るためにも、信頼できる専門家に話すことで、今後の方向性がはっきりしてくることがあります。

まとめ|「意味がない」と感じたあなたへ、もう一度伝えたいこと

夫婦カウンセリングを受けたけれど、「意味がなかった」「結局何も変わらなかった」と感じたあなた。その思いは、決して間違いではありません。期待していた変化が見られなかったとき、そう感じるのは自然なことです。

でも、あなたが真剣に悩み、勇気を出して行動したことは、決して“無意味”ではありません。むしろ、心を立ち止まって見つめ直したその一歩こそが、本当の変化の始まりなのです。

カウンセリングが合わなかったのなら、他の方法を探せばいい。カウンセラーが合わなかったのなら、別の人を選べばいい。あなたに合った方法で、あなたらしく夫婦関係と向き合っていく道は、きっとあります。

私も、あなたのその小さな声に寄り添いながら、これからも応援していきます。あきらめずに、自分とパートナーを大切にする選択をしていきましょうね。