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『CAの私じゃなくて、ただの私を見てほしかった』家に箔がつくと言われた日のこと

温かいコタツの中で凍りついた心

彼の実家のリビング。 昼食後にうたた寝をしてしまい、私は温かいコタツの中でまどろんでいた。

半ば寝たふりのような状態になっていた時、キッチンで食器を洗う彼のお母さんの声が聞こえてきた。

高齢女性

そろそろ結婚しなさいよ。 CAがお嫁さんなんて、そうそう出会えないのよ。家に箔がつくんだから逃しちゃダメよ

息が止まるかと思った。

私は「彼を愛している一人の女性」ではなく、ただの「CAというトロフィー」だったのだ。

さらに私を絶望させたのは、隣でスマホをいじっていた彼の態度だった。 母親の言葉を否定するどころか、へらへらと笑ってごまかす声が聞こえてきたのだ。

私はただの「飾り物」なの?

帰りの電車の中。 窓ガラスに映る自分の顔は、ひどく青ざめていた。

交際して2年。 ご両親とも仲良くやっていると思っていたし、彼となら温かい家庭を築けると思っていた。

でも、彼らは私の人柄ではなく、CAという肩書きしか見ていなかったのだ。

職業に関係なく、私自身を愛してくれていると信じていたのに。 彼の笑ってごまかす態度を思い出すたび、胸の奥が冷たく重くなる。

急に自分が、彼の家の立派なショーケースに飾られるだけの「飾り物」に思えてきた。

このまま彼と付き合い続けて、結婚していいのだろうか。 やり場のない悲しみで涙がこみ上げて、コートのポケットの中で握りしめた手が微かに震えた。

ふてぶてしい猫が暴く、私の本当の「本音」

フク フク

寝たふりなんてするから、聞きたくないことまで聞こえるんだニャ

夜の自室。 メイクも落とさずにベッドに座り込んでいた私の前に、どこから入り込んだのか、ちょっと太めの猫が座っていた。 ふてぶてしい顔で前足を舐めている。

「フク」と名乗ったその奇妙な猫に、私は思わず愚痴をこぼしてしまった。 「だって、彼が私のこと肩書きでしか見てなかったんだもん」

フクは面倒くさそうに鼻を鳴らして、私を見上げた。

フク フク

そもそも、なんで安心しきってるはずの彼氏の実家で寝たふりなんかしたんだニャ? オマエサンの心のどこかに、前から彼に対する不信感があったんじゃないかニャ?

図星を突かれて、言葉に詰まった。 確かに最近、彼のデリカシーのない発言に違和感を覚えることがあった。

フク フク

それにニャ、仕事に誇りを持つのはいいことだニャ。 でも、『CAの肩書きがない自分には価値がない』って一番疑ってるのは、他でもないオマエサン自身じゃないかニャ?

ハッとした。 私はCAである自分に寄りかかり、その肩書きで自信を保っていたのかもしれない。

職業に関係なく、私は私で、価値のある一人の人間なのに。

フク フク

まずは、自分が自分の価値をしっかり認めてやることだニャ。 その上で、あんな頼りない男がオマエサンのパートナーにふさわしいか、上から目線で品定めしてやればいいニャ

フクは大きなあくびを一つすると、窓の隙間から夜風に乗ってふらりと消えていった。

若い女性

……品定め、か

ぽつりと呟いた言葉は、さっきまでの自分からは想像できないほど力強かった。

私はもう一度、彼という人間をフラットな目で見つめ直してみようと思う。 私が私の人生の主役になるために。

登場人物紹介:フク

フク

おう、俺の名前は「フク」だニャ。
たまお悩み相談室のWEB小説に、気まぐれでふらりと現れる猫だニャ。
ちょっと太めでふてぶてしい顔? うるさいニャ、これが俺のベスト・フォルムなんだから放っておけニャ。

俺の生き方は究極の「自分ファースト」だニャ。
美味しいおやつをもらった時しか喉は鳴らさないし、愛想笑いなんて絶対にしない。人間の社会にある「こうあるべき」とか「いい妻・いいお母さんでいなきゃ」なんていう謎のルール、俺たち猫には一切関係ないニャ。

なんで俺がアンタの前に現れるかって?
他人の顔色ばっかり伺って、自分を押し殺してボロボロになってる人間を見ると、なんだか見ててイライラするからだニャ。「自己犠牲」なんていう重たいもん背負ってるアンタに、俺が身も蓋もないツッコミを入れてやるニャ。

人間ってほんと、面倒くさい生き物だニャ。
嫌な時は噛む、寝たい時は寝る。それで嫌われるなら上等だニャ。アンタも俺みたいに、ガチガチに固まった肩の力を抜いて、もうちょっとワガママに生きてみろニャ🐾

※本記事は、「たまお悩み相談室」に寄せられた相談をもとに、相談者の個人が特定されないよう変更を加えながら構成しています。

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