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更年期で「だるい・眠い・何もしたくない」あなたへ。その重さは、体からの「強制休養」のサインです

「やらなきゃいけないのに、体が鉛のように重くて動かない」

「しっかり寝たはずなのに、泥のような眠気に襲われる」

そんなふうに、自分をコントロールできない辛さを抱えていませんか?

毎日、本当にお疲れ様です。

その「何もしたくない」という気持ちは、決してあなたの怠慢ではありません。

それは更年期世代の女性によく見られる、体があなたを守ろうとして発している「強制シャットダウン」の合図である可能性が高いのです。

まずは、ご自身の体が今どれくらいSOSを出しているのか、確認することから始めませんか?

無理に起き上がる必要はありません。横になったまま、下のセルフチェックを見てみてください。

たま先生

たま先生(中森 万美子)

「中森万美子鍼灸院」院長、「たま お悩み相談室」代表カウンセラー。 東洋医学で体を整え、カウンセリングで心に寄り添う「心身一如」のケアが信条。 FM845パーソナリティ。SNSフォロワー4万人超。著書『40歳からの幸せの法則』。

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「だるくて何もしたくない」のは、あなたが怠け者だからではありません

休日の朝、目は覚めているのに布団から起き上がるのが億劫で、「洗濯しなきゃ」と思いながら天井を見つめ続けてしまう。

あるいは、家族に「夕飯、何にする?」と聞かれただけで、涙が出そうになるほど億劫に感じてしまう。

そんなご自身を、「私って、なんて怠け者なんだろう」と責めていませんか?

私の鍼灸院にいらっしゃる患者様も、最初はみなさん、申し訳なさそうにこうおっしゃいます。

「先生、私、最近たるんでいるんです」

「気合が足りなくて、家のことが全然できなくて…」

でも、私ははっきりとお伝えします。

その重だるさは、決して「甘え」や「怠け」ではありません。

泥のように眠い、体が動かない…それは「甘え」ではなく「エラー」です

あなたが感じている「だるさ」は、精神的なものではなく、身体的な「機能エラー」です。

40代、50代の女性の体は、ジェットコースターのような急激な変化の中にいます。

今まで当たり前にできていたことができなくなるのは、あなたの能力が落ちたからではなく、体のOS(基本ソフト)がアップデート中で、一時的にバグを起こしているような状態だからです。

パソコンのOSを更新している最中に、無理やり動かそうとしてもフリーズしてしまいますよね?

今のあなたの体は、まさにその状態。

「動かない」のではなく、「システムを守るために、あえて動きを止めている」のです。

40代・50代の「やる気」が出ない原因は、性格ではなく「体の変化」にあります

真面目で責任感の強い方ほど、「やる気が出ないのは、私の心が弱いからだ」とご自身の性格と結びつけてしまいがちです。

しかし、東洋医学のプロとして断言します。

「やる気」とは、精神力ではなく、体力が充実して初めて湧いてくる「余力」のことです。

今のあなたは、生命を維持するためのエネルギーだけで手一杯の状態。

「やる気」という余剰エネルギーを作り出す余裕が、物理的に残っていないのです。

ですから、どうかご自身の性格を責めないでください。

あなたが頑張り屋さんであることは、これまでの人生が証明しています。

今はただ、体が「ちょっと休憩しようよ」とブレーキをかけているだけなのです。

その異常な眠気とダルさ、正体は「水毒」と「自律神経」の乱れかも

「そうは言っても、この異常な眠気は何なの?」

「体が重すぎて、重力が倍になったみたい」

そんなふうに感じる原因は、医学と東洋医学の両面から説明がつきます。

敵の正体がわかれば、「なんだ、私のせいじゃなかったんだ」と少し安心できるはずです。

【医学的理由】自律神経がオーバーヒートして「強制シャットダウン」している状態

私たちの体には、アクセル役の「交感神経」と、ブレーキ役の「副交感神経」という2つの自律神経があります。

この2つがバランスよく切り替わることで、私たちは元気に活動したり、リラックスして眠ったりすることができます。

しかし、更年期に入り女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減少すると、脳の視床下部にある自律神経の司令塔がパニックを起こします。

アクセルとブレーキの切り替えがうまくいかなくなり、常にアクセルとブレーキを同時に踏み込んでいるような状態になってしまうのです。

想像してみてください。

車のアクセルとブレーキを同時に踏み続けたら、エンジンはどうなるでしょうか?

ものすごい熱を持って、やがてオーバーヒートして止まってしまいますよね。

あなたを襲う突然の眠気や、鉛のようなだるさは、まさにこの「オーバーヒートによる強制シャットダウン」です。

脳が「これ以上動くと危険だ!」と判断し、強制的にスイッチをOFFにして、あなたを眠らせようとしているのです。

これは、あなたを守るための防衛反応なのです。

【東洋医学的理由】体の中が「水浸しのスポンジ」に?「水毒(すいどく)」が重さの正体

東洋医学の視点で見ると、その「重さ」の正体はさらにはっきりと見えてきます。

キーワードは「水毒(すいどく)」です。

「水毒」とは、体の水分代謝がうまくいかず、体内に余分な水が溜まってしまっている状態のこと。

雨の日に体が重だるくなったり、頭痛がしたりすることはありませんか?

あれは、湿気によって体の中の「水」がさらに停滞してしまうからです。

今のあなたの体は、例えるなら「水をたっぷりと吸い込んだスポンジ」のような状態です。

乾いたスポンジなら軽々と持ち上がりますが、水を含んだスポンジはずっしりと重いですよね。

あなたの体が動かないのは、気持ちの問題ではありません。

体の中に溜まった余分な水の重さが、物理的にあなたを動けなくしているのです。

特に更年期は、ホルモンバランスの乱れから「水」を巡らせる力が弱まりがち。

「だるい」「重い」と感じるのは、あなたが水毒という重りを背負っているからに他なりません。

エネルギー工場が休業中。胃腸が弱る「脾虚(ひきょ)」によるガス欠

もう一つ、東洋医学で重要なのが「脾虚(ひきょ)」という状態です。

「脾(ひ)」とは、胃腸を含めた消化吸収システムのことを指します。

私たちは食べたものを消化し、そこから「気(エネルギー)」を作り出して活動しています。

つまり、「脾」は体の中のエネルギー工場です。

しかし、思い悩んだり、ストレスがかかったりすると、この「脾」の働きは真っ先に低下します。

更年期の様々なストレスで胃腸が弱ると、食事をしてもエネルギーをうまく作り出せなくなってしまいます。

ガソリンスタンド(食事)には行っているのに、給油口(胃腸)が詰まっていて、ガソリン(気)がタンクに入っていかない状態。

これでは、車(体)は動きようがありません。

あなたが「何もしたくない」と感じるのは、エネルギー工場が一時休業中で、完全なガス欠状態にあるから。

無理やり動こうとするのではなく、まずは工場を休ませてあげることが必要なのです。

辛い時は「何もしない」が一番の薬。更年期を乗り切る過ごし方

原因がわかったところで、ではどう過ごせばいいのでしょうか?

答えはとてもシンプルですが、真面目なあなたには一番難しいことかもしれません。

それは、「何もしない」ことを、自分に許してあげることです。

今は「人生の修理期間」。罪悪感を持たずに堂々と休みましょう

「一日中パジャマで過ごしてしまった」

「家事が全然できなかった」

そんなふうに落ち込む必要はありません。

今の時期は、人生における「大規模修繕期間」だと思ってください。

お店が改装工事をしている時に、「営業していないなんてけしからん!」と怒る人はいませんよね。

「今はより良くするための工事中なんだな」と納得するはずです。

あなたも今、閉経という大きな変化に向けて、体をリニューアル工事している真っ最中です。

工事中なのですから、通常営業(いつもの家事や仕事)ができなくて当たり前。

ソファーで横になっている時間は、サボっている時間ではありません。

体の内側で、必死にホルモンバランスや自律神経を調整している「作業時間」なのです。

「私は今、人生の修理中。だから堂々と休んでいい」

そう心の中で唱えて、罪悪感を手放してあげてください。

「動けない自分」を責めると、余計に体が重くなります

東洋医学では、感情と臓器は密接に繋がっていると考えます。

「思い悩み」や「自分を責める気持ち(思慮)」は、先ほどお話しした「脾(胃腸)」をさらに弱らせてしまいます。

「なんで私は動けないんだろう…」とグルグル考え込めば考えるほど、胃腸の働きが落ち、エネルギーが作れなくなり、ますます体が重くなる。

そんな悪循環に陥ってしまうのです。

この負のループを断ち切る唯一の方法は、「ま、いっか」と開き直ること。

「今日はもう動けないから、お惣菜でいっか」

「掃除機かけなくても死なないから、ま、いっか」

そうやって自分を許してあげると、「気」の巡りが少しずつ良くなり、体もフッと軽くなってきます。

自分を責めるエネルギーがあるなら、それを「自分を許す」ことに使ってあげてくださいね。

その不調、更年期のせい?まずはスマホで「数値化」してみませんか

ここまで読んでくださったあなたは、きっと

「私のこの辛さも、更年期の影響なのかもしれない」

と、少しだけ感じていらっしゃるかもしれません。

「うつ病かも…」と不安になる前に、ホルモンバランスの乱れをチェック

「何もしたくない」「誰とも会いたくない」

そんな状態が続くと、「もしかして私、うつ病になってしまったんじゃ…」「認知症の始まりだったらどうしよう」と、怖い想像をしてしまうこともあるかもしれません。

更年期の不調は、精神的な症状と非常によく似ています。

だからこそ、一人で抱え込んで悩むのはとても苦しいことです。

でも、もしその原因が「ホルモンのゆらぎ」によるものだとわかれば、どうでしょう?

「脳の病気や心の病気ではなく、体の生理現象なんだ」とわかるだけで、得体の知れない恐怖は消え去り、「対処できる不調」へと変わります。

敵の正体を知ることは、あなた自身を守るための最強の武器になるのです。

寝転がったままでOK。1分で終わるセルフ診断で、自分を守るための「免罪符」を手に入れる

病院に行く気力すらない、というお気持ちもよくわかります。

まずは、今お手元にあるスマホで、簡単に「今のあなたの状態」を確認してみませんか?

「更年期診断(セルフチェック)」は、いくつかの質問に答えるだけで、今のあなたの心と体のバランス状態を数値化することができます。

もちろん、これは医学的な確定診断ではありませんが、「今の私がどれくらい休むべきか」を知るための大切な目安になります。

今の辛さを数値化することは、自分を責めてしまう心への「免罪符」になります。

もし診断結果が悪くても、決して落ち込まないでください。

それは、「あなたは今、こんなに頑張って耐えているんですよ」「だから今は休んでいいんですよ」という、体からの公認許可証なのですから。

誰にも気を遣わず、ベッドに寝転がったままで構いません。

まずは今の自分を知って、ご自身を許してあげるところから始めましょう。

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性格のせいじゃありません。

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