お悩み相談カウンセラー、鍼灸師、ラジオパーソナリティ、歌手


  1. 更新情報
  2. 記事一覧
  3. コミュニケーション・価値観
  4. 「自分のために生きる」のは”わがまま”?罪悪感を手放し、自分軸で歩き出す方法

「自分のために生きる」のは”わがまま”?罪悪感を手放し、自分軸で歩き出す方法


「自分のために生きていいんだよ」

そう言われても、素直に「はい」と言えない。

むしろ、「そんなことをしたら、わがままな人間になってしまうんじゃないか」「周りの人を傷つけてしまうんじゃないか」と、ブレーキを踏んでしまう。

あなたは今、そんな葛藤の中にいるのかもしれませんね。

これまでずっと、周りの期待に応え、誰かの機嫌を損ねないように、自分を後回しにしてきた。それは、あなたがとても優しく、責任感の強い証拠です。

でも、心のどこかで「私の人生、このままでいいのかな?」という小さな声が聞こえ始めている。

「自分のために生きる」という言葉が、まるでいけないことのように感じながらも、どうしようもなく惹かれている…。

この記事では、そんなあなたと一緒に、「自分のために生きる」ことへの罪悪感の正体を解きほぐしていきます。

大丈夫。自分を大切にすることは、決してわがままではありません。

それは、あなたがあなたらしく幸せになるために、そして、あなたの周りの人も本当の意味で大切にするために、不可欠なステップなのです。

一緒に、その第一歩を踏出してみませんか。

たま先生


『たま お悩み相談室』代表カウンセラー / 鍼灸師

たま お悩み相談室』の代表として、夫婦関係・人間関係・人生の悩みなど、誰にも言えない気持ちに寄り添いながら、一人ひとりが“自分を大切にできる生き方”をサポートしています。

著書『40歳からの幸せの法則 ― 自分ファーストで心も時間も自由になる

Voicyにてラジオ配信中

目次

「自分のために生きる」が難しい…あなたはこんな「生きづらさ」を抱えていませんか?

「自分のために生きる」と言葉にするのは簡単でも、いざ実行しようとすると、見えない壁にぶつかってしまう。

もしあなたが今、うなずきながら読んでいるとしたら、それは決してあなただけが特別弱いからではありません。

これまで、知らず知らずのうちに「他人軸」で生きるクセがついてしまっているだけなのです。

まずは、「あ、私、こういうところがあるかも」と自分のパターンに気づくところから始めましょう。

「いい人」を演じてしまい、自分の意見が言えない

会議や友人との会話で、本当は違う意見を持っていても、「場の空気を壊したくない」「嫌われたくない」という思いから、つい周りに合わせてしまう。

「特に意見はありません」「みんなと同じでいいよ」が口癖になっていませんか?

「いい人」でいることは一時的な安心感を与えてくれますが、それを続けるうちに、自分の本音がどんどん心の奥底に追いやられてしまいます。

親やパートナーの期待に応えようと、自分を後回しにしてしまう

「親をがっかりさせたくない」という思いで進路や就職先を選んだ。

「パートナー(夫・妻)が望むから」と、自分のキャリアややりたいことを諦めた。

大切な人を思う気持ちはとても尊いものです。

でも、その期待に応え続けることが、いつの間にか「~ねばならない」という重い鎖になって、あなた自身の人生を縛り付けている可能性があります。

自分が我慢すれば丸く収まる、が口癖になっている

家庭や職場で何か問題が起きた時、「ごめんなさい、私のせいです」と謝ったり、「私がもう少し頑張ればいいんだ」と、自分が我慢する選択を無意識に取っていませんか?

あなたが我慢することで、その場は一時的に丸く収まるかもしれません。

しかし、その小さな我慢の積み重ねが、あなたの心をじわじわとすり減らし、「自分の人生なのに、楽しくない」という感覚を生み出してしまうのです。

他人の機嫌を伺うことに疲れ果てている

相手が今、何を考えているのか。不機嫌じゃないか。

常にアンテナを張り巡らせ、相手の顔色や声のトーンから感情を読み取ろうとして、一日の終わりにはぐったり疲れてしまう。

他人の感情に敏感なのは、あなたが持つ優しさや共感力の高さでもあります。

ただ、そのアンテナを常にオンにしていると、他人の感情(機嫌)というコントロールできないものに、あなたの心が振り回され続けてしまうのです。

自分の「やりたいこと」が何なのか、もはや分からない

いざ「自分のために生きていいよ」「好きなことをしていいよ」と言われても、「…えっと、私がやりたいことって、何だっけ?」と固まってしまう。

ずっと他人の期待や「やるべきこと」を優先してきた結果、自分の「好き」や「やりたい」という感覚が麻痺してしまっている状態です。

これは、あなたの心が「自分を守るため」に、あえて感情にフタをしてきたサインでもあります。

最大のブレーキ:「自分のために生きる」=「わがまま」という大きな誤解

「自分のために生きる」と決意した瞬間、あなたの心にブレーキをかけるもの。

それが、「そんなことをしたら、周りから『わがまま』だと思われるのではないか」という強い恐れ、そして「罪悪感」です。

結論から言いますね。

「自分のために生きる(自分軸)」ことと、「わがまま」は、まったくの別物です。

この違いをはっきりさせることが、罪悪感を手放すための何より大切な第一歩になります。

あなたが感じる「罪悪感」の正体とは?

あなたが「自分のために生きよう」とする時に感じる罪悪感。

その正体は、多くの場合、「自分を優先する=誰かを傷つける・見捨てる」という、過去の経験から学習した「誤った思い込み」です。

周りの人を大切にしてきたあなただからこそ、「自分を優先すること」に慣れておらず、それがまるで「冷たくて、悪いこと」のように感じられてしまうのです。

でも、それはあなたの本質が冷たいからではなく、むしろ優しすぎるために起きる「心のバグ」のようなものなんですよ。

【徹底解説】「自分のために生きる(自分軸)」と「わがまま(他人軸)」の決定的な違い

この二つを、分かりやすく対比してみましょう。

自分のために生きる(自分軸)とは

  • 目的: 自分の感情、欲求、価値観を大切にし、自分で自分をご機嫌にする。
  • 責任: 自分の選択と行動に、自分で責任を持つ
  • 例: 「私はこう思う」「私はこれがしたい(したくない)」と伝え、相手の反応がどうであれ、それを受け入れる。

わがまま(他人軸)とは

  • 目的: 自分の要求を押し通すために、他人をコントロールしようとする。
  • 責任: 自分が不機嫌な理由や、物事がうまくいかない責任を他人に押し付ける
  • 例: 「あなたが〇〇してくれないから、私は不幸だ」「普通は〇〇してくれるべきだ」と相手を責める。

気づきましたか?

「わがまま」は、一見自分のことしか考えていないようで、実は「他人が自分の思い通りに動いてくれること」を期待している、依存的な「他人軸」の状態なのです。

「わがまま」は他人をコントロールし、「自分軸」は自分に責任を持つこと

もう少し具体的に見てみましょう。

例えば、友人に食事に誘われた時。

わがまま(他人軸): 「私はイタリアンがいいって言ったでしょ!なんで中華なの?(怒)」

→相手の選択を否定し、自分の機嫌を取るように要求しています。

自分軸: 「誘ってくれてありがとう。私は今、イタリアンが食べたい気分だから、今日はやめておくね」

→自分の気持ち(I)を伝え、選択(行く/行かない)に自分で責任を持っています。

「自分のために生きる」とは、自分の気持ちを大切にし、その結果(例えば、今回は行かないことを選ぶ)を、他人のせいにせず引き受ける「自立した」態度のことなのです。

なぜ自分を満たすことが、巡り巡って他人のためにもなるのか

有名な「飛行機の酸素マスク」の話があります。

緊急時、酸素マスクは、まず大人が自分につけてから、次に子供につけるように指示されます。

なぜなら、大人が先に意識を失ってしまえば、子供を助けることすらできなくなるからです。

これは、私たちの心も全く同じです。

あなたの心が、我慢や自己犠牲でカラカラに乾いていたら、他人に心からの優しさや思いやりを注ぐ余裕は生まれません。

まずはあなたが、あなた自身の心を満たしてあげること。

あなたのコップに水が満たされ、あふれ出した分でこそ、本当の意味で人を潤すことができるのです。

あなたが「自分のために生きる」ことを自分に許可し、ご機嫌でいられる時間が増えれば、その安定した優しいエネルギーは、必ず周りの人にも伝わります。

だから、自分を満たすことを、もう「わがまま」だと責めなくていいんですよ。

なぜ私たちは「自分のために生きる」ことが難しくなってしまうのか

「自分のために生きる」ことが「わがまま」とは違うと頭では分かっていても、いざ行動しようとすると、なぜか心がザワザワしたり、一歩が踏み出せなかったりする。

それは、あなたが弱いからでも、意地悪だからでもありません。

私たちが育ってきた環境や、無意識のうちに身につけてきた「心のクセ」が深く関係しているのです。

原因を知ることで、「あ、私のせいじゃなかったんだ」と、自分を責める気持ちが少し軽くなるはずですよ。

原因1:幼少期からの「いい子」でいなさいという刷り込み

「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから、我慢しなさい」

「親の言うことを聞くのが『いい子』だよ」

「わがままを言って、周りを困らせてはいけません」

幼少期にこういった言葉をかけられ続けた経験はありませんか?

周りの大人の期待に応えることで褒められてきた経験は、「自分の欲求」よりも「他人の期待」を優先する思考回路を強く、強く育ててしまいます。

その結果、大人になっても「自分はどうしたいか」より先に、「周りからどう見られるか」「何を期待されているか」を考えてしまい、自分の本音にフタをするのが当たり前になってしまうのです。

原因2:他人の感情に敏感すぎる(HSP気質など)

あなたは、人の些細な表情の変化や声のトーン、その場の雰囲気の違いに、人一倍敏感に気づいてしまうタイプかもしれません。

いわゆる「HSP(Highly Sensitive Person)」と呼ばれるような、感受性の豊かさや共感力の高さは、素晴らしい才能です。

しかしその一方で、「相手を不快にさせたかもしれない」「自分が何か言うと、場の空気が悪くなるかも」と、無意識のうちに先回りして考え、自分の行動や発言を制限してしまいがちです。

他人の感情を自分のことのように感じ取ってしまうため、「自分のために生きる」ことが、まるで「その繊細なアンテナを無視する冷たい行為」のように感じられ、難しくなってしまうのです。

原因3:自己肯定感が低く「自分には価値がない」と思い込んでいる

「ありのままの自分では愛されない」

「何かを我慢したり、誰かの役に立ったりしていないと、自分には価値がない」

心の奥底で、このように感じてはいませんか?

自己肯定感が低い状態だと、「自分のために生きる」=「誰の役にも立たない自分」=「価値のない自分」という恐れの図式が成り立ってしまいます。

周りのために自分を犠牲にしている間だけ、自分の価値を感じられる。

だからこそ、「自分のために生きる」という、一見シンプルで当たり前のことが、自分の存在価値を脅かすような「怖いこと」に感じられてしまうのです。

原因4:所属するコミュニティ(職場・家庭)の同調圧力が強い

「みんなが残業しているから、自分だけ先に帰るわけにはいかない」

「ママ友グループのランチは、本当は行きたくないけれど、断ったら仲間外れにされそうで怖い」

私たちは、良くも悪も周りの環境から強い影響を受けます。

特に、個人の選択よりも集団の調和が優先されがちな「同調圧力」の強いコミュニティ(職場、学校、家庭、地域の集まりなど)にいると、「自分のために生きる」ことは「和を乱す行為」「自分勝手な行為」と見なされやすくなります。

その環境にいる限り、自分軸で行動しようとすると、強い抵抗や罪悪感を感じてしまうのは、ある意味で自然なことなのです。

罪悪感ゼロでOK。「自分のために生きる」を今日から始める小さな5つの練習

頭で理解したことと、実際に行動できることは別ですよね。

長年かけて身についた「他人軸」のクセは、いきなり大きなことをしようとすると、強い罪悪感(ブレーキ)が働いてうまくいきません。

大切なのは、「こんな小さなことでいいの?」と思うくらいの、簡単な練習から始めること。

罪悪感を最小限にしながら、自分軸の感覚を取り戻していきましょう。

練習1:「なんとなく」をやめる。日常の小さな「選択」を自分で行う

私たちは一日のうちに、無数の「なんとなく」で行動を決めています。

「ランチは、いつものA定食でいいや」

「飲み物は、みんながコーヒーだから私もコーヒーにしよう」

この「なんとなく」を、「私はどうしたい?」という問いに変えてみてください。

「今日は、A定食じゃなくて、B定食の気分だ」

「私は今、コーヒーより紅茶が飲みたい」

周りに合わせる必要のない、本当に小さな選択で構いません。

「自分で決めて、自分で選んだ」という小さな成功体験を積み重ねることが、「自分のために生きる」ことへの何よりのリハビリになります。

練習2:「5分だけ」自分のためだけの時間(快)を確保する

「自分のために生きる」と言っても、いきなり趣味に何時間も費やす必要はありません。

まずは「たった5分」でいいので、「自分を喜せるためだけ」の時間を、意識的に確保してみてください。

  • お気に入りのいい香りがする紅茶を、丁寧に淹れて飲む5分
  • 好きな音楽を1曲だけ、イヤホンで集中して聴く5分
  • 窓を開けて、ゆっくりストレッチをする5分

ポイントは、その5分間を「スマホを見ながら」や「仕事をしながら」ではなく、「自分の快(かい)のためだけ」に使うことです。

「自分は、自分をもてなす価値がある」と、心に教えてあげる練習です。

練習3:「私は」を主語にして、自分の感情や意見を伝えてみる

他人軸のクセがついていると、「普通はこうだよね」「みんなもそう言ってる」と、主語を大きくして話しがちです。

これを、「私は」という主語(I=アイメッセージ)に変えてみましょう。

  • 「普通はこうすべき」→「私は、こうした方がいいと思う」
  • 「みんな疲れてるよね」→「私は、今ちょっと疲れているかも」

これは、自分の意見を押し通すためではありません。

「あくまで『私』個人の意見・感情ですよ」と明確にすることで、相手も「あなたはそう思うんだね」と受け取りやすくなります。

自分の本音を伝える練習として、とても効果的です。

練習4:小さな「No」を言ってみる。上手な断り方のコツ

「自分のために生きる」うえで避けられないのが「断る」という行為です。

これも、いきなり大きな誘いを断る必要はありません。

  • 「この仕事、今お願いできる?」→「(即答で「はい」と言わず)10分後に着手でも大丈夫ですか?」
  • 「今度の飲み会、どう?」→「誘ってくれてありがとう!でも、その日は別の予定があって(or ちょっとゆっくりしたくて)、今回はやめておくね」

ポイントは、「感謝(誘ってくれてありがとう)」+「結論(行けない)」+「理由(軽く添える)」のセットです。

「申し訳ない」という気持ちを乗せすぎず、サラッと伝えるのがコツ。

「断っても、関係性は壊れない」という経験を積むことが大切です。

練習5:自分の「快・不快」をメモするリハビリ

「やりたいことが分からない」という状態まで進んでいる場合は、まず自分の「感覚」を取り戻すリハビリから始めましょう。

一日の終わりに、手帳やノートに、今日感じた「快(かい=心地いい、好き、嬉しい)」「不快(ふかい=嫌だ、苦手、疲れた)」を、どんな些細なことでもいいので書き出してみます。

  • 快: 朝のコーヒーが美味しかった / 電車で座れた / 空が青かった
  • 不快: 職場が寒すぎた / あの人の声が大きくて疲れた / ランチがイマイチだった

自分の「好き・嫌い」のデータを集める感覚です。

これを続けるうちに、「あ、私はこういうことが好きで、こういうのが苦手なんだ」と、麻痺していた自分の感覚が、少しずつ蘇ってきますよ。

「自分のために生きる」ことで見えてくる新しい景色

「自分のために生きる」なんて、そんなことをしたら周りが離れていって、孤独になってしまうんじゃないか…。

練習を始めたばかりの頃は、そんな不安がよぎるかもしれません。

でも、実際は逆なんですよ。

あなたが「自分軸」を取り戻していくと、人生にはこんなにも素晴らしい「新しい景色」が広がっていきます。

景色1:人間関係のストレスが激減する(嫌われる勇気)

あなたが「自分のために生きる」ことを始めると、もしかしたら、あなたに過剰に依存していた人や、あなたをコントロールしようとしていた人は、離れていくかもしれません。

それは一見、怖いことのように感じますよね。

でも、考えてみてください。

あなたが無理をして、自分を偽ってまで維持しなければならない関係性は、本当に必要でしょうか?

あなたが「私はこう思う」「これはできない」と本音を伝えても、それでも一緒にいてくれる人。

それこそが、あなたを本当に大切に思ってくれている人です。

「すべての人に好かれよう」という呪縛から解放されると、人間関係は驚くほどシンプルになり、ストレスは激減しますよ。

景色2:自分の「好き」が明確になり、人生に彩りが戻る

「快・不快」のリハビリを続け、小さな「選択」を自分で行っていくうちに、麻痺していたあなたの感覚がどんどん蘇ってきます。

「私、本当は甘いものより、しょっぱいものが好きだったんだ」

「人混みはやっぱり苦手。一人の時間がないとダメなんだ」

自分の「好き」や「心地よさ」が明確になると、日常の解像度がグッと上がります。

これまでモノクロに見えていたかもしれない毎日が、一つひとつの選択によって彩り豊かになっていく。

「自分の人生を生きている」という実感は、そんな小さな喜びの積み重ねから生まれてくるのです。

景色3:本当の意味で、他人に優しくなれる

これが、私が一番お伝えしたいことです。

「自分のために生きる」ことは、決して冷たい人間になることではありません。むしろ逆です。

これまでのあなたは、「嫌われたくないから」「いい人だと思われたいから」という、どこか「見返り」を求める優しさだったかもしれません。

でも、自分で自分を満たせるようになると、心に余裕が生まれます。

その余裕こそが、「相手がどうあろうと、助けたいから助ける」という、見返りを求めない「本当の優しさ」の源泉になります。

我慢からではなく、満たされた心からあふれ出す優しさ。それが、あなたも相手も幸せにする、本当の思いやりなんですよ。

景色4:自己肯定感が高まり、決断力が身につく

「自分の気持ちを優先できた」

「自分でランチを選べた」

「苦手な誘いを断れた」

「自分のために生きる」練習で積み重ねる、この「自分で選んで、自分で行動できた」という小さな成功体験

これこそが、自己肯定感を育てる何よりの栄養になります。

「自分は、自分の人生を選んでいいし、選ぶ力がある」

そう思えるようになると、他人の意見や世間の常識に振り回されることが減り、「私はこうしたい」という自分軸で、日々の様々なことを決断できる力が身につきます

人生のハンドルを、しっかりと自分の手に取り戻すことができるのです。

「やりたいこと」が分からない時はどうする?

「自分のために生きる」練習を始めても、すぐに「やりたいことが分からない」という壁にぶつかるかもしれませんね。

でも、大丈夫。

「やりたいこと」は、いきなり見つかるものではありません。

麻痺してしまった感覚を取り戻すには、少し順番があるのです。

「やりたいこと」は「やりたくないこと」の裏側にある

「やりたいこと(快)」を見つけるのが難しい時は、まず「やりたくないこと(不快)」をハッキリさせることから始めましょう。

「やりたいこと」は、情熱的で、キラキラしたものである必要はありません。

  • 「満員電車に乗りたくない」
  • 「上司の機嫌を伺うのは、もうやりたくない」
  • 「夜更かしするのは、本当は嫌だ」

その「やりたくないこと」の裏側に、あなたの「やりたいこと」が隠れています。

  • 「満員電車に乗りたくない」→「静かな環境で、自分のペースで働きたい」
  • 「夜更かしは嫌だ」→「朝、スッキリ起きて、自分の時間を持ちたい」

「不快」を避けることも、立派な「自分のために生きる」選択なのです。

無理に探せず、まずは「不快」を取り除くことから始める

「やりたいこと」を見つけようと焦るあまり、セミナーに行ったり、本を読み漁ったりして、逆に疲れてしまう(=不快を増やしてしまう)ことがあります。

もし今、自分の「好き」が分からないなら、無理に探す必要は全くありません。

それよりも、先にやった方がいいことがあります。

それは、あなたの日常から「小さな不快」を一つずつ取り除いていく作業です。

  • サイズが合わない靴を履くのをやめる
  • 読みたくないメルマガを解除する
  • 行きたくない飲み会の通知をミュートする

心のコップに溜まった「不快」という泥水を少しずつ捨てていけば、必ず「快」を感じるためのスペースが生まれてきますよ。

小さな「好き」や「心地いい」を拾い集めてみる

「不快」を取り除くと同時に、練習5でご紹介した「快・不快メモ」を使いながら、日常に散らばっている「小さな好き」や「心地いい」を丁寧に拾い集めてみましょう

  • 「このお茶を飲んでいる時、ホッとする」
  • 「この道を通ると、空が広くて気持ちいい」
  • 「この肌触りのタオルが好き」

「世界を変える」ような大きな「やりたいこと」である必要は、どこにもありません。

あなたが「あ、今、ちょっと幸せかも」と感じる、その小さな「快」こそが、あなたの「やりたいこと」のタネであり、あなただけの「自分軸」のコンパスになってくれるのですから。

まとめ:「自分のために生きる」ことは、あなたとあなたの周りの人を幸せにする第一歩

ここまで、本当にお疲れさまでした。

「自分のために生きる」ことへの罪悪感や、その具体的な練習方法について、じっくりとお話してきました。

この記事をここまで読んでくださったあなたは、それだけ真剣に自分の人生と向き合い、変わろうとしている、とても誠実で優しい方なのだと思います。

もう一度、大切なことをお伝えしますね。

「自分のために生きる」ことは、決して「わがまま」ではありません。

それは、あなたがこれまで無意識に背負いすぎてきた「他人の分の荷物」を、そっと降ろす作業です。

そして、空いた両手で、あなた自身の心を丁寧に満たしてあげることです。

飛行機の酸素マスクのように、まずはあなたがあなた自身を満たしてください

あなたのコップが幸せで満たされた時、そのあふれ出した優しさや余裕が、自然とあなたの周りの大切な人たちをも潤していきます。

今日ご紹介した小さな練習。

「ランチを自分で選ぶ」

「5分だけ好きな紅茶を飲む」

「『私は』と主語で話してみる」

どれも、本当に些細なことです。

でも、その小さな一歩こそが、あなたの人生のハンドルをあなた自身の手のひらに取り戻す、何より確実な一歩になります。

焦らなくて大丈夫。

時にはまた「他人軸」に戻ってしまう日があっても、決して自分を責めないでくださいね。

「あ、今、我慢しちゃったな」と気づけたなら、それは大きな大きな進歩です。

あなたの人生は、他の誰のものでもない、あなただけのものです。

今日から、あなた自身を一番大切にする「自分のために生きる」選択を、一つずつ、始めてみませんか。

あなたのその小さな勇気を、心から応援しています。


PAGE TOP