私が先ほど「思い出というのは特別なイベントのことだけではない」とお伝えしたのは、実は心の仕組みとして、人は人生の節目や終盤に差し掛かると「手に入れられなかったもの」や「できなかったこと」ばかりに意識が向いてしまう傾向があるからなんです。
エンディングノートを前にして「私の人生は空っぽだったのではないか」とご自身を責めてしまうお気持ち、とてもよくわかります。ですが、ご家族が今日も温かい家で安心してご飯を食べ、健やかに生きているという「当たり前の日常」は、ご相談者様が雨の日も風の日も働き、家族を守り抜いてきたからこそ存在しているものです。目に見える派手なイベントがなかったとしても、あなたが注いできた愛情と責任感は、ご家族の心と暮らしの土台としてしっかりと刻み込まれています。
決して、あなたの人生は空っぽなんかではありません。まずは、ご家族を守り抜いたご自身の手を、心の中でぎゅっと握りしめて「よくやったね」と労ってあげてくださいね。
この記事を読んでくださっている皆さんも、もし過去を振り返って「あの時ああしていれば」と強い後悔に襲われた時は、過去の足りなかった部分ではなく、「そのおかげで今、守られているもの」に優しく目を向けてみてください。そして、人生の時間は「気づいたその瞬間」から新しく動かし始めることができます。
70代からでも、新しい思い出のページはいくらでも増やしていけます。過去を悔やむのではなく、「これからの時間で奥様をどこへ連れて行ってあげようか」と、未来の楽しい計画に心のエネルギーを使ってあげてくださいね。
心が寂しさや後悔でいっぱいになりそうな時は、いつでもここへお話ししに来てくださいね。あなたのこれからの人生が、温かい笑顔と新しい思い出で彩られるよう、心から応援しています。