「はぁ……」
最近、気づくとため息をついていませんか?
喉の奥になにか詰まっているような違和感があったり、些細なことでイライラしてしまったり。
お腹が張って苦しい、なんてことも。
毎日頑張っているあなたのその不調、もしかすると東洋医学でいう「気滞(きたい)」という状態かもしれません。
気滞とは、文字通り「気」が「滞っている」こと。
本来なら全身をスムーズに巡るはずのエネルギーが、渋滞を起こして詰まってしまっている状態です。
- 「漢方薬を煮出すのは大変そう……」
- 「忙しくて自分のケアなんて後回し」
そんなあなたへ。まずは一番手軽な「飲み物」から、滞った気を巡らせてみませんか?
今回は、コンビニやスーパーで手に入るものを中心に、気滞タイプの方におすすめの「巡りドリンク」を厳選してご紹介します。
中森万美子鍼灸院 院長
鍼灸師・心理カウンセラー。「心身一如」を掲げ、東洋医学(体)と心理学(心)の両面から、40代以降の更年期・自律神経の悩みに寄り添う。
FM845パーソナリティや歌手としても活動し、その声と人柄はSNS総フォロワー4万人超に支持されている。著書『40歳からの幸せの法則』。

- 1. なぜ「気滞(きたい)」に飲み物が良いの?東洋医学のメカニズム
- 1.1. あなたの不調は「気滞」かも?セルフチェック
- 1.2. ポイントは「香り」!揮発成分が「気」を動かす理由
- 2. 【コンビニ・スーパー編】気滞におすすめの飲み物リスト
- 2.1. ジャスミン茶・ハーブティー|「理気」作用で鬱々とした気分に
- 2.2. 炭酸水・スパークリング|「ゲップ」を出してリフレッシュ
- 2.3. アールグレイ紅茶|ベルガモットの香りでリラックス
- 2.4. 柑橘系ジュース(100%)|「陳皮」のような働きでスムーズに
- 2.5. そば茶・ミントティー|胃腸の張りを和らげ、スーッと爽快に
- 3. 【おうちカフェ編】ちょい足しで薬膳効果アップ!おすすめアレンジ
- 3.1. 紅茶+シナモン・生姜|冷えからくる気滞を温めて流す
- 3.2. ホットココア+オレンジピール|心をほぐして安眠へ誘う
- 4. 逆効果に注意!気滞さんが避けるべき「NGな飲み物・飲み方」
- 4.1. キンキンに冷えたドリンクは「気」を固めてしまう
- 4.2. 甘すぎるカフェオレや炭酸飲料は「湿」を生んで巡りを悪化させる
- 5. 飲み物はあくまで一時的?「気滞」を根本からケアするには
- 5.1. 気が滞る本当の原因は「体の硬さ」と「呼吸の浅さ」にあり
- 5.2. 巡り体質を目指す「たま式 養生経絡ストレッチ」のすすめ
- 6. まとめ
なぜ「気滞(きたい)」に飲み物が良いの?東洋医学のメカニズム
「飲み物だけで体調が変わるの?」と思われるかもしれませんね。
でも、東洋医学において「何を体に入れるか」は養生の基本。特に気滞のケアには、飲み物が持つ「ある特徴」が良いとされているのです。
あなたの不調は「気滞」かも?セルフチェック
まずは、今のあなたの状態が「気滞」かどうか、簡単にチェックしてみましょう。
- 無意識にため息が出る(息を吐くと少し楽になる)
- 喉に異物感がある
- イライラや気分の落ち込みが激しい
- 胸や脇、お腹が張って苦しい
- ゲップやオナラが出るとスッキリする
- 生理前に胸が張ったり、情緒不安定になる
いくつ当てはまりましたか?
これらはすべて、気の巡りをコントロールする「肝(かん)」という機能が、ストレスや過労で影響を受け、気がスムーズに流れなくなっているサインと考えられます。
ポイントは「香り」!揮発成分が「気」を動かす理由
では、なぜ飲み物が良いのでしょうか。
気滞ケアの最大の鍵は、「香り(芳香)」にあります。
東洋医学には「香りは気を巡らせる」という考え方があります。
シソ、ミント、柑橘類などのスーッとする良い香りは、停滞している気を動かし、発散させる働き(理気作用)を持っているとされています。
飲み物は、口に含む前にまず「香り」が鼻に届きますよね。
湯気とともに立ち上るアロマを吸い込み、温かい液体でお腹を温める。このアプローチが、ギュッと固まった心と体を内側からほどく手助けをしてくれるのです。
【コンビニ・スーパー編】気滞におすすめの飲み物リスト
「今すぐなんとかしたい!」という時、わざわざ専門店に行かなくても大丈夫。
コンビニやスーパーで手軽に買える、気滞さんにピッタリの飲み物をピックアップしました。
ジャスミン茶・ハーブティー|「理気」作用で鬱々とした気分に
気滞ケアの代表格といえば、やはりジャスミン茶(さんぴん茶)です。
ジャスミンの華やかな香りは、漢方薬の材料(食薬)としても使われるほどで、「理気(りき)」作用を持つと言われています。
イライラが募っている時や、気分が塞ぎ込んでいる時に飲むと、頭のモヤモヤをスッキリさせるのに役立ちます。カモミールティーやレモングラスなどのハーブティーも同様におすすめです。
炭酸水・スパークリング|「ゲップ」を出してリフレッシュ
「お腹が張って苦しい」「胸がつかえる」
そんな時は、無糖の炭酸水が味方になります。
炭酸の刺激に加え、炭酸ガスと一緒に「ゲップ」が出ることで、体内に溜まっていた余分なガス(気)を外に出すきっかけになります。
レモンフレーバーのものを選べば、柑橘の香りの良さもプラスされます。
アールグレイ紅茶|ベルガモットの香りでリラックス
紅茶を選ぶなら、断然アールグレイです。
アールグレイの独特な香りは、柑橘類である「ベルガモット」によるもの。この柑橘の香りが、気の巡りを助け、高ぶった神経を鎮めるのに役立ちます。
仕事の合間のブレイクタイムには、コーヒーよりもアールグレイを選んでみてください。
柑橘系ジュース(100%)|「陳皮」のような働きでスムーズに
漢方薬では、乾燥させたミカンの皮を「陳皮(ちんぴ)」と呼び、気の巡りを良くする生薬として重宝します。
これに近い働きを期待できるのが、オレンジやグレープフルーツなどの100%ジュース。
酸味と甘味のバランスが良い柑橘系は、滞った気にアプローチしつつ、体に必要な潤いも補ってくれます。ただし、冷やしすぎには注意しましょう。
そば茶・ミントティー|胃腸の張りを和らげ、スーッと爽快に
胃腸の張りや食後の重だるさを感じる気滞さんには、そば茶やミントティーがおすすめ。
そば茶は胃腸の働きを整える作用があると言われています。ミントの清涼感(ハッカ)は、頭に昇った熱を冷まし、鬱々とした気分をリフレッシュさせるのに最適です。
【おうちカフェ編】ちょい足しで薬膳効果アップ!おすすめアレンジ
お家でゆっくり過ごす時間があるなら、少し手を加えて「薬膳ドリンク」を楽しんでみませんか?
キッチンにあるものを「ちょい足し」するだけで、満足度がアップします。
紅茶+シナモン・生姜|冷えからくる気滞を温めて流す
「冷え」は気滞の大敵。体が冷えると血管や筋肉が収縮し、気の通り道も狭くなってしまいます。
そんな時は、紅茶にシナモンパウダー(桂皮)やすりおろし生姜をプラスしましょう。
シナモンや生姜は体を芯から温め、寒さで固まった気を動かす助けになります。生理痛が重い方や、手足が冷える方には特におすすめです。
ホットココア+オレンジピール|心をほぐして安眠へ誘う
夜、あれこれ考えてしまって眠れない……。そんな気滞タイプの方には、ホットココアがおすすめ。
ココアの香りはリラックスタイムにぴったりです。
そこに、オレンジピール(陳皮の代用)やマーマレードを少し加えてみてください。柑橘の香りが不安感を和らげ、心地よい眠りへと誘ってくれます。
逆効果に注意!気滞さんが避けるべき「NGな飲み物・飲み方」
「良かれと思って飲んでいたものが、実は逆効果だった」なんてことも。
気滞による不調を悪化させないために、以下のポイントには気をつけましょう。
キンキンに冷えたドリンクは「気」を固めてしまう
ストレスが溜まると、カーッと熱くなるため冷たい水をガブ飲みしたくなりますよね。
ですが、冷たい飲み物は胃腸の働きを低下させ、気の巡りを停滞させてしまうことがあります。
気が停滞すると、さらにイライラや張り感が強くなることも。飲み物はできるだけ「常温」以上、できれば「温かいもの」を選びましょう。
甘すぎるカフェオレや炭酸飲料は「湿」を生んで巡りを悪化させる
たっぷりの砂糖やミルクが入った甘いドリンク。
これらは東洋医学でいう「湿(しつ)」、つまりベタベタした余分な水分を体内に生み出す原因になると考えられています。
ドロドロとした湿がたまると、気の通り道がふさがれ、体は重だるく、気分もスッキリしません。甘いものは「たまのご褒美」程度に控え、普段は香りの良いお茶を選びましょう。
飲み物はあくまで一時的?「気滞」を根本からケアするには
ここまで、飲み物によるケアをご紹介してきました。
香りの良い温かい飲み物を飲んで「ふぅ〜っ」と息を吐く。これだけでも、一時的に気は巡り、心は軽くなるはずです。
しかし、もしあなたが「慢性的に」気滞の症状に悩まされているなら、飲み物だけでは不十分かもしれません。
気が滞る本当の原因は「体の硬さ」と「呼吸の浅さ」にあり
気が流れるルートを「経絡(けいらく)」と呼びます。
ストレスで体が緊張し、筋肉がガチガチに固まっていると、この経絡が圧迫され、気が物理的に流れなくなってしまいます。
また、猫背で胸が閉じていると呼吸が浅くなり、新しい気を取り込むことができません。
つまり、根本から気滞をケアするには、「体のコリをほぐし、経絡を通すこと」が不可欠なのです。
巡り体質を目指す「たま式 養生経絡ストレッチ」のすすめ
「じゃあ、ジムに通って運動しなきゃダメ?」
いいえ、激しい運動は必要ありません。むしろ、頑張りすぎる運動は気滞タイプの方には逆効果になることも。
必要なのは、気の通り道である「経絡」を意識して、ゆったりと伸ばすこと。
私が主宰する「たま式 養生経絡ストレッチ」は、東洋医学のプロが考案した、40代からの女性のための体質改善メソッドです。
- 頑張らなくていい(リラックスが最優先)
- 経絡をピンポイントで伸ばす(効率的に気を巡らせる)
- 呼吸と合わせる(自律神経を整える)
飲み物で内側から、ストレッチで外側から。
両方からのアプローチで、驚くほど体が軽くなり、イライラや不調から解放された毎日を目指しませんか?
まずは一度、オンラインでのレッスンで「気が巡る感覚」を味わってみてください。
まとめ
気滞は、頑張り屋さんの勲章のようなもの。
「イライラするのは性格のせいじゃない、気の巡りが悪いだけ」
そう気づくだけでも、少し楽になりませんか?
まずはコンビニでジャスミン茶を手に取ることから始めてみましょう。
そして、「飲む」という行為を「深呼吸するスイッチ」にしてみてください。
それでも「やっぱりしんどいな」「もっと根本から変わりたいな」と思ったら、いつでも「たま先生」を頼ってくださいね。
あなたの心と体が、ふわりと軽くなるお手伝いをさせていただきます。

参考文献
- 川手鮎子著『心も体もととのう漢方の暮らし365日』自由国民社、2021年
- 平馬直樹・浅川要・辰巳洋監修『オールカラー版 基本としくみがよくわかる東洋医学の教科書』ナツメ社、2014年
