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40代「生きるのがめんどくさい」はSOS?心と体の専門家が教える対処法

ふと、「あぁ、生きるのがめんどくさいな…」と感じることはありませんか?

朝、目が覚めた瞬間に絶望感に襲われる。

食事をするのも、お風呂に入るのも、誰かと話すのも億劫。

「消えてしまいたいわけではないけれど、このまま眠り続けていたい」

もしあなたが今、そんな気持ちでいるのなら、まずは自分を責めるのをやめてください。

40代でその感覚に陥るのは、あなたが弱いからでも、怠けているからでもありません。

これまで全力で走り続けてきたあなたの心と体が発している、「強制終了(シャットダウン)寸前のSOS」なのです。

今日は、鍼灸師であり心理カウンセラーでもある私の視点から、40代特有の「生きるのがめんどくさい」の正体と、少しだけ心が軽くなる対処法についてお話しします。

たま先生

たま先生(中森 万美子)

「中森万美子鍼灸院」院長、「たま お悩み相談室」代表カウンセラー。 東洋医学で体を整え、カウンセリングで心に寄り添う「心身一如」のケアが信条。 FM845パーソナリティ。SNSフォロワー4万人超。著書『40歳からの幸せの法則』。

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40代で「生きるのがめんどくさい」と感じるのは正常な反応です

「昔はもっと頑張れたのに」

「周りの人は普通に生活しているのに」

そうやって他人と比較して落ち込んでいませんか?

でも、断言します。40代という年齢で、急に生きるエネルギーが湧かなくなるのは、ある意味で正常な防衛反応なのです。

突然の無気力感は「甘え」ではなく「脳と体のSOS」

私たちの脳は、ストレスや疲労が限界を超えそうになると、あえて「感情」や「意欲」をスイッチオフにすることがあります。これ以上頑張ると壊れてしまうから、強制的に活動を停止させようとするのです。

つまり、「生きるのがめんどくさい」という感情は、「これ以上無理をしないで!」という体からの緊急停止サイン。決してあなたの「甘え」や「性格の問題」ではありません。

「何もしたくない」はエネルギー切れ(気虚)のサイン

東洋医学には「気虚(ききょ)」という言葉があります。これは文字通り、生命活動の源である「気(エネルギー)」が空っぽになっている状態を指します。

車で言えば、ガソリンが入っていない状態です。ガソリンがない車に向かって「もっと速く走れ!」とアクセルを踏み込んでも動きませんよね?

今のあなたは、まさにガス欠の状態。無理に動こうとするのではなく、まずはガソリンを給油(休養)することが最優先なのです。

なぜ?「生きるのがめんどくさい」と感じる40代の3つの原因

では、なぜ40代になると急にガソリン切れを起こしやすくなるのでしょうか。そこには、40代特有の「3つの大きな変化」が関係しています。

1. ホルモンバランスと自律神経の乱れによる「気力」の低下

40代は、性ホルモン(女性ホルモン・男性ホルモン)の分泌が急激に低下し始める時期です。ホルモンは体の調子を整えるだけでなく、脳の神経伝達物質にも影響を与え、「やる気」や「幸福感」をコントロールしています。

ホルモンの減少により自律神経が乱れると、理由もなく不安になったり、体が鉛のように重くなったりします。これは「気持ちの持ちよう」でどうにかできる問題ではなく、物理的な体の変化なのです。

2. 親の介護・子育て・仕事…役割過多による燃え尽き症候群

40代は、人生で最も背負うものが多い「サンドイッチ世代」です。

  • 職場では責任ある立場を任され
  • 家では反抗期の子供や受験のサポートに追われ
  • さらに親の介護や健康問題がのしかかる

自分のことは後回しで、誰かのために奔走する日々。「私って何のために生きているんだろう?」と、自分の人生が空っぽになったように感じる「燃え尽き症候群」に陥りやすいのです。

3. ミッドライフ・クライシス(中年の危機)という人生の転換期

心理学用語で「ミッドライフ・クライシス(中年の危機)」という言葉があります。人生の折り返し地点で、「自分の人生はこれでよかったのか」「この先もずっとこの生活が続くのか」と、これまでの価値観が揺らぎ、虚無感に襲われる状態です。

若さという武器が失われていく喪失感と、老いへの不安が入り混じり、「生きる意味」を見失いやすくなるのです。

その「めんどくさい」は更年期の影響かも?体の声を聞こう

「うつ病かもしれない」と心療内科に行こうか迷っている方もいるかもしれません。もちろん心のケアも大切ですが、私たち鍼灸師の視点では、まず「体の土台(更年期)」を疑います。

メンタルの不調だと思ったら「体の変化」だったケースは多い

「性格が変わってしまったのかと思うほどイライラする」「何をするのも億劫で涙が出てくる」。

これらは更年期障害の代表的な症状でもあります。ホルモンバランスの乱れが直接脳に影響し、メンタルの不調を引き起こしているケースが非常に多いのです。

もし、心の不調だけでなく、動悸、発汗、不眠、肩こりなどの身体的な不調も感じているなら、それは心が弱いからではなく、体が変化の波に溺れているだけかもしれません。

まずは今の自分の状態を客観的に知ることから始めましょう。1分でできる簡単なチェックリストを用意しました。

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生きるのがめんどくさい40代へ。今すぐできる「小さなケア」

原因が分かっても、「じゃあどうすればいいの?」と思いますよね。

今のあなたに必要なのは、大きな変化や努力ではありません。これ以上頑張らなくていいのです。

今日からできる、とても小さな「自分への優しさ」を3つだけ提案させてください。

1. 「何もしない」を予定に入れる「積極的休養」のすすめ

休日に「せっかくだから掃除しなきゃ」「溜まった家事を片付けなきゃ」と思っていませんか?

生きるのがめんどくさい時は、あえてスケジュール帳に「完全休養日」と書き込んでください。

その日はパジャマのままでいいし、食事はデリバリーでいいし、一日中動画を見ていてもいい。

「サボってしまった」という罪悪感を持つのではなく、「今日は“休む”という重要なタスクを遂行した!」と自分を褒めてあげてください。

2. 呼吸を深めて自律神経を整える「セルフお灸・ツボ押し」

心がしんどい時は、呼吸が浅くなっています。

胸の真ん中、左右の乳首を結んだ線の真ん中にある「膻中(だんちゅう)」というツボがあります。ここはストレスが溜まると硬くなり、押すと痛みを感じやすい場所です。

お風呂に入っている時や寝る前に、この「膻中」を指の腹で優しくさすったり、深呼吸をしながら軽く押してみてください。

「ふぅー」っと息を吐き出すたびに、胸のつかえが少しずつ降りていくのを感じられるはずです。

3. 「~すべき」を手放して「~したい」を大切にする練習

  • ちゃんとした母親でいるべき
  • 弱音を吐かないでいるべき
  • 健康的な生活をすべき

40代の私たちは、たくさんの「べき」という鎧を着込んでいます。

でも、その鎧が重すぎて動けなくなっているのが今です。

1日1回だけでいいので、「~したい」という自分の小さな欲求を叶えてあげてください。

「高いコンビニスイーツが食べたい」「今日は洗い物をせずに寝たい」。

そんな些細なことで構いません。自分の心の声を聞くリハビリが、枯渇したエネルギーを少しずつ満たしてくれます。

40代以降を楽に生きるために

ひとりで抱え込まず、専門家(鍼灸院・カウンセリング)に頼る

「生きるのがめんどくさい」という気持ちは、誰かに話すだけで輪郭が変わり、軽くなることがあります。

でも、家族や友人には話しにくい…ということもあるでしょう。

そんな時のために、私たちのような専門家がいます。

鍼灸でガチガチになった自律神経を緩めたり、カウンセリングで絡まった心の糸をほどいたり。

心と体の両面からアプローチすることで、驚くほど視界が晴れることがあります。

人生の後半戦は「頑張らない」を目標にしてもいい

人生80年時代、40代はちょうど折り返し地点です。

前半戦を全力疾走してきたのですから、後半戦は少しペースを落として、「いかに楽に、心地よく走るか」にシフトしてもいいのではないでしょうか。

「生きるのがめんどくさい」と感じた今日は、あなたが「自分らしい生き方」にシフトチェンジするための大切な記念日かもしれません。

あなたが少しでも、今夜ぐっすりと眠れますように。

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