「モラハラ夫 離婚後 しつこい」と検索窓に打ち込んだ指先には、もう恐怖が滲んでいたのではないでしょうか。この画面を開いてくださったあなたへ、まず一番大切なことからお伝えします。身の危険を感じたら、読み進めるより先に110番、または「DV相談ナビ #8008」へ電話してくださいね。接近禁止命令や保護命令、弁護士・警察という選択肢が、あなたにはちゃんとあります。
「連絡が止まらない」「家の近くで姿を見た気がする」「子ども経由で言葉を伝えてくる」。そんな状況の中で、「過剰反応かも」「我慢すべきかな」と自分を疑ってしまっていませんか。
その感覚は、あなたが大げさだから生まれているのではありません。長くモラハラを受けてきた心と体が、危険を正しく察知してくれているサインです。「しつこい」「怖い」と感じた時点で、もう動いていい段階なんですよ。
この記事は、加害者の心理を覗き見する読み物ではありません。カウンセラーの立場から、しつこさの背景、やってはいけない応答、自分を守る境界線、今日から使える相談窓口の優先順位までを、安全第一で順に整理していく場所です。
読み終わったとき、「一人で抱えなくていい」と少しでも肩の力が抜けていたら、うれしく思います。
目次

年間500件以上のお悩みに寄り添うカウンセラー。解決を押しつけるのではなく、ご相談者様にとって「心を整える場所」となることを目指したサポートを行っている。SNS総フォロワー数は4万人を超え、著書『40歳からの幸せの法則』の執筆や、FM845のラジオパーソナリティ、大学やカルチャーセンターでの講師など幅広く活動中。
まず、あなたの身の安全を最優先にしてください
カウンセラーの仕事は、心の整理をお手伝いすることです。でも、心の整理よりも先に守らなければいけないものがあります。それがあなたの身体の安全。これは、どんな心理的なアドバイスよりも上位にある絶対のルールなんです。
まずはこの章で、安全確保の基本だけを整理させてください。「自分はそこまでじゃない」と思っても、最後まで読んでみてくださいね。
「しつこい」と「危険」は連続している
モラハラ夫の離婚後の行動について、「これは単にしつこいだけ」「これは危険」と、はっきり線を引くのはとても難しいんです。
なぜかというと、しつこさはいつでもエスカレートする可能性があるから。最初は電話やLINEだけだったのが、だんだん家の近くを通るようになり、ある日突然玄関の前に立っている、というケースは決して珍しくありません。
「まだ大丈夫」と思っているうちに、状況がじりじりと悪化していく。これは多くのケースで共通する流れなんです。
だからこそ、「危険になってから動く」のでは遅いことがあります。「しつこい」と感じた段階で、相談窓口を確認しておく。連絡の記録を残し始める。住所や勤務先を知られないように動き始める。こうした準備は、何も起きないまま終わるなら、それでよかった、で済む話。
でも、いざというときに準備していなかったら、間に合わないことがある。安全への備えは、早すぎるということがありません。
今すぐ使える3つの相談先(#8008・110・弁護士)
身の危険を感じたとき、迷わず使ってほしい3つの窓口があります。それぞれの役割を、簡単に整理しておきますね。
ひとつめは、警察への通報。緊急で身の危険を感じる状況、たとえば家の前に元夫が来ている、暴力をふるわれそう、追いかけられているといったときは、ためらわず110番してください。「証拠がない」「相手が何かしたわけではない」と遠慮しなくていいんです。警察は、あなたが怖いと感じている事実を聞いてくれます。
ふたつめは、DV相談ナビ「#8008」。これは全国共通の電話番号で、最寄りの配偶者暴力相談支援センターにつながります。離婚後の元夫からのつきまといや精神的な圧迫も、相談対象です。「離婚したのに相談していいのかな」と思わなくて大丈夫。むしろ、離婚後の安全確保は、この窓口がもっとも力になってくれる領域のひとつです。
みっつめは、弁護士への相談。接近禁止命令や保護命令といった法的な手続きを検討するなら、離婚や家族問題に強い弁護士につながることが近道です。費用が心配な方は、まず法テラスで無料相談を受けるという選択肢もあります。
3つとも、相談したからといって即座に何かが動くわけではありません。「今のあなたの状況を、専門家にいったん見てもらう」だけでも、次の一歩がぐっと見えやすくなりますよ。
「相談していいレベルかどうか」で迷わなくていい
私が相談を受ける中でいちばん多いのが、「これくらいで相談していいんでしょうか」という前置きです。
その背中には、「もっとひどい目に遭っている人がたくさんいる」「まだ殴られたわけじゃない」「証拠もない」といった、自分への遠慮が積み重なっています。
でも、これだけは覚えておいてくださいね。相談の窓口は、「危険のランク」を判定する場所ではありません。あなたが不安、怖い、しんどいと感じているなら、それだけで十分な相談理由なんです。
実際、警察やDV相談の窓口は、まだ何も起きていない段階の相談こそ歓迎してくれます。早い段階で相談しておけば、もし状況が悪化したときに、すぐに動ける関係性ができているからです。
「この程度で」と思っているのは、たいていあなたが優しすぎる人だから。本当に危険な人ほど、自分の状況を低く見積もる傾向があります。だから今、不安が頭をよぎっているなら、それは「相談してください」というサインなんですよ。
離婚後もしつこさが続く、4つの動機
なぜ、離婚したのに、元夫はしつこく連絡してくるのでしょうか。「まだ未練があるから」「愛情が残っているから」と捉えてしまうと、応対の仕方を間違えてしまいます。
カウンセリングの現場で見てきた、モラハラ夫が離婚後もしつこくする動機を、4つに整理してお伝えしますね。これは、相手に同情するためではなく、相手の本音を見抜いて自分を守るための地図です。
①コントロール欲求の延長|支配の場が消えた焦り
モラハラ的な関係の核心は、相手をコントロールすることそのものが、本人の安心に直結している点にあります。妻を思い通りにできる、自分の機嫌で相手の表情が変わる、その手応えが、モラハラ夫にとっての日常の安定だったケースはとても多いんです。
離婚は、その支配の場をいきなり奪う出来事です。今まで自分の世界の中心にいた妻が、いきなりいなくなる。家の中の権力構造が、根こそぎ消える。
その喪失を埋めるために、しつこく連絡してくる。これは「未練」ではなく、「支配の延長」と捉えたほうが、実態に近いです。
②喪失感の埋め合わせ|あなた以外に依存先がない
モラハラ傾向のある人は、外面はよくても、内面では人間関係が驚くほど狭いことがあります。妻だけが自分の本音を聞いてくれる、家事も身の回りも全部やってくれる、そういう生活を当たり前として何年も過ごしてきた。
その依存先を、自分の意思とは関係なく失った状態。これは、本人にとっては相当な不安なんです。
ただ、その不安はあなたが引き受けるものではありません。「私がいないと、あの人はダメになる」と感じてしまうと、また情にほだされて連絡を返してしまう。それは、相手の依存をあなたが背負い続けることに他なりません。
依存先を作り直すのは、本人の課題。あなたの優しさで肩代わりすることではないんです。
③復讐と罰|「自分を捨てた」への怒り
モラハラ夫の中には、離婚を「自分が捨てられた」と受け取り、強い怒りを抱える人がいます。「自分を裏切った妻に、思い知らせてやる」。そういう動機で、しつこく連絡してくることがあります。
このタイプの怒りは、表向きは謝罪や対話の形を取ることがあります。「話し合いたいだけ」「もう一度会って説明したい」といった言葉で接近してきて、会ったら一気に責められる、というパターンです。
復讐のエネルギーは、時間が経っても減らないことがあります。むしろ、再婚を知ったタイミング、子どもが進学したタイミングなど、節目で再燃するケースもあります。長期戦を想定して、距離の取り方を組み立てていく必要があるんです。
④不安と承認欲求|「悪者にされたくない」
最後の動機は、世間体への不安です。離婚したという事実が、自分の評価を下げるのではないか。周囲に「モラハラ夫だった」と知られるのではないか。そういう不安から、あなたに「自分は悪くなかった」と認めさせたくて、しつこく接触してくるケースもあります。
「もう一度話を聞いてほしい」「あれは誤解だ」といったメッセージは、本心からの謝罪ではなく、自分の評価を回復したいという欲求の表れであることがあります。
このタイプは、あなたが応じれば応じるほど、「ほら、やっぱり俺は許される人間だ」と確信を強めて、接触を増やしていきます。応じないことが、いちばんの対処なんです。
モラハラ夫がしつこく繰り返す、連絡・接近の5パターン
具体的にどんな行動が「しつこい」と感じさせるのか、よくあるパターンを5つに整理します。あなたが今経験していることがここに入っているなら、それは「気のせい」でも「過敏」でもありません。
①電話・LINE・メールの大量連絡
無視しているのに何度もメッセージが来る。深夜や早朝にも構わず通知が鳴る。仕事中の電話、用件のないメール、謝罪と怒りを行ったり来たりする長文。
これらは、すでに「コミュニケーション」の範囲を超えて、あなたの存在を侵食しに来ている行為です。返信するかしないかを毎回考えること自体が、エネルギーを奪われている状態。
連絡そのものを物理的にブロックする手段(着信拒否、LINEブロック、メール振り分け)は、罪悪感を持たずに使ってかまいません。むしろ、使わないと心がもちません。
②家・職場・引っ越し先への突然の訪問
「近くまで来たから」「話したいことがあって」。そう言って家の前に現れる。引っ越したはずなのに、住所を調べて訪ねてくる。職場に顔を出す。
これらは、もはや「しつこい」のレベルを超えて、ストーカー規制法の対象になり得る行為です。一回でもあったら、警察への相談を検討してください。「もう来ないでほしい」と本人に伝える必要はありません。むしろ、伝えると逆上のリスクがあります。
訪問の事実を記録し、第三者(警察・弁護士・DV相談)に相談する。この順番が、自分の身を守るうえでの基本です。
③子ども・親族・共通の知人を経由した接触
直接の連絡をブロックされた元夫が、次に取りやすいのが、第三者経由の接触です。
子どもに「ママに電話するように言って」と頼む。あなたの実家に「心配しているから様子を教えてほしい」と連絡する。共通の友人に「今どうしているか聞いてほしい」と伝言する。
このパターンは、あなたを直接攻撃していないように見えるぶん、対処が難しく感じられます。でも、本質はあなたへの接触の継続です。
子どもには「パパからの伝言は、ママに直接届けようとしなくていいよ」と伝える。親族や友人には「私への連絡は、私本人に直接してもらうようにお願いしてほしい」と頼む。間に立つ人を増やさないことが、自分を守ることにつながります。
④SNS監視と別アカウントからの接触
メインアカウントをブロックすると、別アカウントを作って閲覧してくる。あなたの投稿に「いいね」や閲覧履歴を残してくる。共通のフォロワーから情報を集めようとする。
SNSは、知らないうちに自分の現在地・行動範囲・人間関係を伝えてしまう場所です。離婚後しばらくは、投稿の頻度を下げる、位置情報をオフにする、フォロワーを整理する、鍵アカウントに切り替えるといった対応が安全です。
「自分の生活を発信できないのは悔しい」と感じるかもしれません。それでも、安全が確保できるまでは、SNSを「あなたを見つける手がかり」にされないことを優先してくださいね。
⑤「法的措置を取る」という脅しの言葉
慰謝料を請求する、子どもの親権を取り戻す、調停を起こす、面会交流を訴える——こうした法律用語を持ち出して、あなたを揺さぶってくるケースもあります。
このとき大事なのは、相手に直接反応しないこと。法的な脅しに対しては、あなたが言葉で対応する必要はありません。すべて弁護士に渡してください。
「弁護士を立てるとお金がかかる」と心配な方は、法テラスの無料相談から始めれば大丈夫です。相手は、あなたが法的な後ろ盾を持った瞬間に、トーンが変わることが多いです。脅しに自分一人で立ち向かおうとしなくていいんです。
やってはいけない、3つの応答
しつこい連絡への対応で、つい「これでいいかな」と思ってやってしまうことが、実は逆効果になることがあります。カウンセリングの場でよく見聞きする、3つの落とし穴を整理しておきますね。
①感情を込めた返信は、相手の燃料になる
無視を続けていたら、つい怒りが爆発して「もう連絡しないで!」と長文で返してしまう。あるいは、悲しみを込めて「どうしてこんなことするの」と訴えてしまう。
その気持ちは、本当によく分かります。でも、モラハラ夫の行動の目的が「あなたの反応を引き出すこと」である場合、感情のこもった返信は、相手にとって最高の燃料になります。
「ほら、まだ反応してくれた」「揺さぶればまだ動く」。そう確信させると、しつこさは加速します。返信するなら、用件のみ、感情ゼロ、最短文字数で。あるいは、いっそ返信しない選択を一貫して持ち続ける。これが、消耗を最小化する応答なんです。
②「一度だけ」会う・話すは、しつこさを強化する
「もう一度だけ会えば終わるかも」「話せば分かってもらえるかも」。長く一緒にいた相手だからこそ、こういう希望が顔を出すことがあります。
でも、モラハラ的な関係においては、「一度だけ」はほぼ通用しません。一度応じれば、「粘れば会える」「強く出れば話せる」という学習をさせてしまいます。次の連絡は、もっと強くなって戻ってきます。
会わない、話さない、応じない。一貫性こそが、相手に「もう無理だ」と諦めてもらうための、唯一に近い手段です。冷たく感じるかもしれませんが、これは自分を守るための必要な硬さなんですよ。
③同情・説明・謝罪は、つけ入る隙を作る
「あの人もかわいそうだから」と同情して、長い手紙を書いてしまう。「自分にも悪いところがあった」と謝罪してしまう。「分かってもらえたら関係が落ち着くかも」と説明してしまう。
モラハラ傾向のある相手には、これらは全て「つけ入る隙」として機能します。同情は依存を強化し、謝罪は「やっぱり俺が正しかった」という確信に変わり、説明は新しい揺さぶりの材料にされる。
優しさが相手を変えてくれる、という期待は、ここでは通用しません。冷たくしているのではなく、「これ以上、お互いを傷つけないために線を引く」と捉えてみてくださいね。
自分を守る、4つの具体的な行動
ここからは、今日から動ける具体的な行動を4つ、整理してお伝えします。全部を一気にやる必要はありません。一つでも始められたら、それは大きな前進です。
①記録を残す|日時・内容・スクショの三点セット
しつこい連絡や接近があったとき、まず始めてほしいのが記録です。記録は、後の法的対応の証拠になるだけでなく、あなた自身が「これは確かに起きていることだ」と確認するための大切な作業でもあります。
具体的には、日時、手段(電話・LINE・訪問など)、内容、こちらの対応、を簡単にメモする。LINEやメールはスクリーンショットを撮って、別の場所(クラウドや別端末)に保管する。訪問されたときは、可能なら防犯カメラの映像、目撃者の有無、近所の方の証言なども控えておく。
ノートでもスマホのメモアプリでも、形式は問いません。続けることが何より大事。何ヶ月分の記録があれば、保護命令の申立ても具体的に進められます。
②専門の相談窓口につながる|DV相談ナビ・女性相談センター
「DV相談ナビ #8008」は、24時間対応の相談先につないでくれる窓口です。住んでいる地域の配偶者暴力相談支援センターにつながり、専門の相談員が話を聞いてくれます。
各都道府県の女性相談センターも、同様の役割を担っています。電話だけでなく、面談での相談も可能です。緊急性が高い場合は、一時保護シェルターを案内してもらえることもあります。
「離婚しているのに使えるの?」と思うかもしれませんが、離婚後の元配偶者からのつきまといも、明確に対象に含まれています。むしろ離婚後こそ、こうした窓口の専門知識が役に立ちます。
「電話するのが怖い」「何を話せばいいか分からない」という方は、この記事を見ながら「離婚した元夫からの連絡が止まらず困っている」と最初に伝えるだけで大丈夫。あとは相談員さんが順番に聞いてくれます。
③法的措置を視野に入れる|接近禁止命令・保護命令
事態が深刻な場合、法的な保護を求めることができます。代表的なのが、配偶者暴力防止法に基づく「保護命令」です。
保護命令には、接近禁止命令、退去命令、電話等禁止命令、子への接近禁止命令、親族等への接近禁止命令といった種類があります。裁判所に申立てをして、認められれば、元夫はあなたへの接近や連絡を法的に禁止されます。違反すれば刑事罰の対象になります。
申立てには、それまでの記録(先ほどの①が役に立ちます)と、弁護士のサポートがあるとスムーズです。費用が心配なら、法テラスを通じて費用の立替制度を利用できる場合もあります。
ストーカー規制法に基づく警告・禁止命令という選択肢もあります。どの制度を使うのが適しているかは、警察や弁護士、DV相談窓口の専門家と一緒に判断してください。
「ここまで大事にしていいのか」と迷うかもしれません。でも、法律は、こういうときのために用意されているんです。使うことに遠慮はいりませんよ。
④物理的な距離を取る|住所・連絡先・SNSの管理
最後に、物理的に距離を取り続けるための工夫をいくつか。
住所を知られないようにする。住民票の閲覧制限制度(DV等支援措置)を使うと、加害者があなたの住民票を取り寄せられないようにできます。市区町村の窓口で手続きできます。
電話番号を変える。新しい番号は、信頼できる家族と職場だけに知らせる。SNSのアカウントを作り直し、フォロワーを限定する。共通の知人には「私の新しい連絡先は元夫には伝えないでほしい」と明確にお願いする。
職場にも、必要に応じて状況を共有しておく。元夫が訪ねてきた場合の対応を、上司や同僚と確認しておく。これは、自分を守るうえで、決して恥ずかしいことではありません。
少しずつでいいんです。今日できる一つから、始めてみてくださいね。
「離婚してもまだ怖い」と感じるのは、正常な反応です
ここまで、安全確保の具体的な行動をお伝えしてきました。でも、頭で対処法を理解できても、心の中の怖さはなかなか消えてくれません。
「離婚したのに、なんで自分はこんなに怯えているんだろう」。そう自分を責めてしまっている方へ、最後にお伝えしたいことがあります。
体が反応する怖さは、心の防衛本能
連絡の通知音が鳴るたびに、心臓がぎゅっとなる。元夫と似た背格好の人を街で見て、足がすくむ。夢の中に元夫が出てきて、目覚めると汗をかいている。インターホンが鳴っただけで、息が止まる。
これらの反応は、あなたが弱いから起きているのではありません。長い期間、モラハラを受け続けてきた心と体が、危険を察知する力を強化してきた結果なんです。
人間の心と体には、危険な状況に長く置かれると、警戒モードを常にONにしておく仕組みがあります。これは、生き延びるための大切な機能。だから、離婚してすぐに警戒モードがオフにならないのは、あなたの体が正常に働いている証拠でもあるんです。
問題は、警戒モードが続きすぎると、心も体も消耗してしまうこと。だからこそ、安全な環境を実際に作っていくことと並行して、誰かに気持ちを話して、緊張を緩めていく時間が必要なんです。
「過剰反応では」と自分を疑わなくていい
「みんな離婚後はこのくらい不安なのかな」「自分が大げさに受け取りすぎなのかも」。そう自分を疑い始めると、どんどん相談しにくくなってしまいます。
カウンセリングの現場で出会う方の中には、家の前で元夫に待ち伏せされたのに、「自分が偶然そこに居合わせただけかもしれない」と判断を保留してしまう方がいます。SNSで明らかに監視されているのに、「気にしすぎかな」と無視しようとする方もいます。
でも、不安や怖さは、自分の身体が出しているリアルなサインです。それを「気のせい」と片付けてしまうと、本当に危険なときに動けなくなってしまう。
怖いと感じたなら、それは事実。「過剰かどうか」を判断するのは、あなたではなく、専門家の役目です。あなたは、ただ怖さを伝えればいいんですよ。
怖さを誰かに話すこと自体が、回復の入口
怖さは、ひとりで抱えていると、どんどん大きく見えてきます。逆に、誰かに話して言葉にすると、ふっと輪郭が定まって、扱いやすいサイズになることがあります。
これは「気のせい」ではなく、心理学的にも知られている現象です。感情に名前をつけ、誰かに受け止めてもらう体験は、それだけで脳の興奮を鎮める効果があります。
話す相手は、信頼できる友人でも、家族でも、カウンセラーでも、相談窓口の方でも、誰でもかまいません。大事なのは、「ひとりで抱えない」と決めること。
そう決めた瞬間から、回復は少しずつ動き出します。
一人で抱えないために、カウンセラーに話すという選択肢
警察、DV相談、弁護士、ケアマネ的な公的窓口。これらは、安全と法的保護のための強い味方です。でも、それだけでは届かない領域がある。それが、あなたの感情の整理です。
制度や警察では受け止めきれない感情がある
警察は、犯罪行為や差し迫った危険に対応するための機関です。弁護士は、法的な手続きと交渉のプロ。DV相談窓口は、安全確保と制度活用のサポートをしてくれます。
それぞれが、得意分野を持っています。でも、「離婚したのにまだ涙が止まらない」「相手のことを思い出すと体が固まる」「自分はこの先も誰かを信じられるんだろうか」。こうした感情の波は、制度では扱いきれない領域なんです。
カウンセラーが担当するのは、まさにこの部分。利害関係のない第三者として、あなたの感情をそのまま受け止め、一緒に整理していく役割です。
「相談する」と決めるだけで、世界の見え方が変わる
カウンセリングは、すぐに答えを出してくれる場所ではありません。でも、「自分の気持ちをそのまま話していい場所がある」と知ることだけでも、日常の見え方が変わる方が多いです。
明日も元夫から連絡が来るかもしれない。でも、今日この時間は、自分の話を聞いてもらえる人がいる。その安心感が、警戒モードで縮こまった心を、ほんの少しずつほどいていきます。
決して、すぐに変わるわけではありません。でも、何ヶ月か通った方が、「最初の頃の自分が、もう遠くに見える」とおっしゃることがあります。それは、心の中に「安心して話せる場所」ができた証なんです。
たまお悩み相談室でできること
たまお悩み相談室では、モラハラからの離婚後にしつこい連絡や接近に悩んでいる方の相談を、これまで数多くお受けしてきました。
法律の専門家ではないので、保護命令の手続きそのものはお手伝いできません。でも、「弁護士に話す前に、自分の気持ちを整理したい」「DV相談窓口に電話する勇気が出ない」「夫からの連絡に毎回揺れる自分を、なんとかしたい」。そういうときの、最初に話を聞く場所として、お役に立てると思っています。
利害関係のない場所で、ただ話を聞いてもらう。その時間が、あなたの心の中に「自分のための時間」を作る、小さな最初の一歩になりますよ。
まとめ|離婚後の安全と、心の自由を取り戻すために
長くお付き合いいただき、ありがとうございました。最後にもう一度、いちばん大切なことをお伝えさせてくださいね。
身の安全を、何よりも最優先にしてください。
離婚後の元夫からのしつこい連絡や接近は、「我慢するもの」でも「自分で何とかするもの」でもありません。警察(110)、DV相談ナビ(#8008)、弁護士、女性相談センター。あなたの安全を守るために用意されている仕組みは、たくさんあります。
今日お伝えした内容を、最後にまとめておきますね。
- 「しつこい」と「危険」は連続しているので、早めの相談・準備が安全につながる
- 離婚後もしつこい動機は4つ(コントロール/喪失/復讐/不安)。「未練」と捉えると応対を間違えやすい
- 接触のパターンは5つ(電話/LINE/訪問/第三者経由/SNS/法的脅し)。自分の状況を当てはめて整理する
- やってはいけない応答は3つ(感情的返信/一度だけ会う/同情と説明)。優しさが裏目に出る場面がある
- 自分を守る4つの行動は、記録/窓口相談/法的措置/物理的距離。一つずつ始めれば十分
- 「離婚してもまだ怖い」は正常な反応。怖さを誰かに話すことが、回復の入口
そして、心の整理は、ひとりで進める必要はありません。利害関係のないカウンセラーに話すという選択肢を、どうか覚えておいてくださいね。
あなたが、安心して眠れる夜と、安心して玄関を開けられる朝を、取り戻せますように。一人で抱え込まないでください。あなたの声を聞かせてくれる場所は、ちゃんと用意されていますからね。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的判断・保護命令の申立て・刑事手続きについては、必ず弁護士、警察、配偶者暴力相談支援センター(DV相談ナビ #8008)等の専門機関にご相談ください。身の危険を感じたときは、迷わず110番してください。
